安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ヘンリク・シェーファー指揮 オーケストラ・アンサンブル金沢演奏会 (4月28日 軽井沢大賀ホール)

2018-05-02 20:14:25 | 演奏会・ライブ

4月28日に軽井沢大賀ホール2018春の音楽祭から、ヘンリク・シェーファー指揮オーケストラ・アンサンブル金沢の演奏会を聴きました。プログラムは、意図がよくわからない選曲でしたが、名曲を集めていて、面白そうなのでチケットを購入しました。共演は、テノールのジョン・健・ヌッツォさんです。シェーファーさんは、金沢「風と緑の楽都音楽祭2018」への出演を主とした来日です。

   

(出 演)

指揮:ヘンリク・シェーファー
テノール:ジョン・健・ヌッツォ
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢

指揮者のヘンリク・シェーファーさんは、2014年よりスウェーデンのイェーテボリ歌劇場の音楽監督を務め、日本では2007年~2014年に広島交響楽団の首席客演指揮者を務めるなど来日も多い方です。テノールのジョン・健・ヌッツォさんは、ウィーン国立歌劇場やメトロポリタン歌劇場で歌ったことがありますが、最近は日本におけるリサイタル公演が多いようです。

(曲 目)

モーツァルト / 歌劇「劇場支配人」序曲 K.486
モーツァルト / 交響曲第40番 ト短調 K.550
<休憩>
ロッシーニ  / 「小荘厳ミサ曲」より”主なる神”
レスピーギ / リュートのための古風な舞曲とアリア第3組曲より”シチリアーナ”
カルダーラ / たとえつれなくても
デンツァ / 妖精の瞳
ヴェルディ / 歌劇「椿姫」より第3幕への前奏曲
ヴェルディ / 歌劇「リゴレット」より”女心の歌”
マスカーニ / 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より”間奏曲”
プッチーニ / オペラ「リゴレット」より”誰も寝てはならぬ”
ロッシーニ / セレナータ 変ホ長調
トスティ / 暁は光と闇とを分かつ

(アンコール)
リュートのための古風な舞曲とアリアより”イタリアーナ” 
ディ・カプア / オー・ソレ・ミオ (歌:ジョン・健・ヌッツォ)

(感 想)

後半のイタリアものプログラムで、会場は大いに盛り上がりました。オーケストラの演奏で最も印象に残ったのが、レスピーギの「リュートのための古風なアリア第3組曲よりシチリアーナ」で、旋律をたっぷりと歌っていて、うっとりと聴けました。また、椿姫の前奏曲やカヴァレリア・ルスティカーナの間奏曲なども美しく聴かせてくれました。指揮のシェーファーさんは、ことに弦楽器の旋律を歌わせるのが上手な方だと思いました。

歌劇「劇場支配人」序曲は、モーツァルトらしい闊達なリズムの曲で、そのへんが結構出ていた演奏でした。次は交響曲40番ですが、いまさらながらですが曲の素晴らしさに打たれました。演奏は、第1楽章は柔らかくて、しかも極端に感情移入せずあっさりめでよい感じでしたが、第4楽章のフィナーレに向かってはもう少し迫力がほしい気がしました。

ヌッツォさんの歌ですが、リゴレットより「誰も寝てはならぬ」では、少し強い声の響きがほしいと思いましたが、「女心の歌」や「オー・ソレ・ミオ」では、声量や声の響きがよく、歌、伴奏ともに決まっていて、大いに楽しめました。会場の大きさが、小編成のオーケストラに適し、かつ僕の座った位置がよいせいか、各楽器が明瞭に聴こえ定位もよくて、そういう点でも満足できた演奏会です。