安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

佐渡裕指揮 トーンキュンストラー管弦楽団演奏会 (5月22日 長野県松本市キッセイ文化ホール)

2018-05-25 19:51:52 | 演奏会・ライブ

佐渡裕指揮のウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の演奏会が松本で開催されたので聴いてきました。ブラームスのピアノ協奏曲第2番で、佐渡裕とアファナシエフが共演するのが、特に面白そうなプログラムです。

   

(出 演)

指揮:佐渡 裕
ピアノ:ヴァレリー・アフェナシエフ
管弦楽:トーンキュンストラー管弦楽団

(曲 目)

バーンスタイン / キャンディード序曲
ベートーヴェン / 交響曲第6番 へ長調 作品68 「田園」
<休憩>
ブラームス / ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83

ショパン / マズルカ第47番 作品68-2 イ短調 (アファナシエフのアンコール曲)
ブラームス / ハンガリー舞曲第5番 ト短調 (佐渡裕&管弦楽団のアンコール曲) 

(感 想)

佐渡裕の指揮は、きびきびとしたところが気持ちよく、最初のバーンスタイン「キャンディード序曲」は、勢いがあり、オーケストラの楽器間のバランスがとれたよい演奏で印象に残りました。演奏会の幕開けに相応しい曲で、いいプログラムです。

ベートーヴェンの「田園」は、交響曲の中でも好きな曲です。標題音楽ではないとも言われますが、聴いていると森のざわめきであったり、鳥の囀りや小川のせせらぎといった情景が浮かんできます。テンポ的に、ちょっと速い箇所があったり、管楽器の音色には艶や張りがもう少しほしい気がしましたが、まずまずよい演奏だと思いました。

ブラームスのピアノ協奏曲第2番ですが、アフェナシエフは、第1楽章の演奏では、フレーズをひとかたまりという感じにとらえているのか、聴きようによってはブツ切れの演奏で、迫力のある演奏効果は素晴らしく挙がっているもののびっくりしました。後半にいくほど歌ったり音色のきれいさも出てきて、全体に個性的なすごい演奏になっていました。佐渡の指揮も第3楽章冒頭の部分など美しく聴かせていてよかった。

アファナシエフのアンコール曲の演奏は、一層驚きました。テンポの遅さ、しっかりとしたトリルや音の強弱の付け方など、ちょっとマズルカとは思えないほど芸術性が感じられました。やはり鬼才といわれるだけあります。それで終わりかと思ったら、佐渡の指揮でブラームスのハンガリー舞曲第5番が、やや遅いテンポで濃密に演奏され、終演は午後9時30分近くでした。

「キャンディード序曲」がよかったので、本日と同じコンビで録音された同曲が収録されているCD「バーンスタインへのトリビュート」をタワーレコードに発注しました。

   

参考にポリーニのピアノで、ブラームスのピアノ協奏曲第2番を聴いていきました。