ドラマーの小林陽一さんが毎年夏に行っているジャパニーズ・ジャズメッセンジャーズ・ツァーのライブが甲府のコットン・クラブで行われたので、聴きにいってきました。今年はアート・ブレイキー生誕100年の年で、メンバーもJazz Messengersに在籍した3人が参加しています。
(出 演)
フィリップ・ハーパー(tp)
ヴィンセント・ハーリング(as)
エシュット・エシュット(b)
小林陽一(ds)
北島佳乃子(p)
ヴィンセント・ハーリング(as)
フィリップ・ハーパー(tp)
フィリップ・ハーパー(歌)
エシュット・エシュット(b)
小林陽一(ds)
北島佳乃子(p)
(曲 目)
1 Hipsippy Blues (Hank Mobley)
2 Bu's Delight (Curtis Fuller)
3 The Opener (Hank Mobley)
4 Embraceable You (ピアノトリオによる演奏、G.Gershwin)
5 Niagara Shuffle (小林陽一)
〈休憩〉
6 Night Watch (Hank Mobley)
7 Simple Pleasure (Cedar Walton)
8 I Wish You Love (Charles Trenet, 歌:フィリップ・ハーパー)
9 Minor's Holiday (Kenny Dorham)
10 Moanin' (Bobby Timmons, アンコール曲)
(感 想)
往年のアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズを想い起させるエキサイティングなステージでした。曲目もハンク・モブレーやケニー・ドーハム作のものが含まれ、1950年代後半の雰囲気があり、今回はハードバップに徹していました。モブレー作の3曲や、熱い「Minor's Holiday」、乗り乗りの「Moanin'」と、すごく楽しめました。
今回もヴィンセント・ハーリング(as)が素晴らしく、唖然とするような輝かしいサウンドに、切れ味抜群のスピード感あふれるフレーズは、それを観て聴けただけで出かけた価値がありました。フィリップ・ハーパー(tp)は、リー・モーガン(tp)を髣髴とさせるところもありましたが、「Bu's Delight」では、小音量の柔らかな音でメロディアスなソロをとっていて感心しました。
ハーパーが「I Wish You Love」を歌ったのには驚きましたが、ブレイキーを偲んで歌われたようです。エシュット・エシュット(b)は、椅子に腰かけて演奏していましたが、力強いフレーズを連発して重厚感がありました。北島佳乃子(p)さんは、「Embraceable You」でフューチャーされていて、高音のきれいさが目立ちました。
北島さんは、ウィントン・ケリー(p)を想起させるなどバップに根差したプレイで好感が持て、期待したい一人です。小林陽一さんは、演奏ではアート・ブレイキー役でしたが、それに加え、全国を回るツァーを企画し、連続して実行しているのはすごい。来年も、このグループの