セイジ・オザワ・松本フェスティヴァル2019のオーケストラプログラムAを23日(金)に聴いたので、その感想を記します。
ファビオ・ルイージとサイトウ・キネン・オーケストラ。2017年の公演の際の写真。
(出 演)
指揮:ファビオ・ルイージ
管弦楽:サイトウ・キネン・オーケストラ
(曲 目)
シュミット / 交響曲第4番 ハ長調
〈休憩〉
マーラー / 交響曲第1番 ニ長調「巨人」
(感 想)
指揮者のファビオ・ルイージの個性が選曲、演奏に出て、サイトウ・キネン・オーケストラがそれに熱く応えた聴きごたえのある公演でした。オペラ「エフゲニー・オネーギン」の時は、静かに美しく、繊細さが目立ったルイージだったのですが、当夜はかなりダイナミクスの感じられる指揮ぶりでした。指揮棒を持たずに指揮していました。
予習でフランツ・シュミットの交響曲第4番のCDを聴きましたが、抒情性と空虚さと、悲しみが色濃く伝わる作品で、弦楽器にハープが絡む美しい旋律が出てくる佳曲で好きになりました。当夜も、サイトウキネンオケの弦楽器の美しさがとりわけ引き立ち、冒頭と最後のガボール・タルコヴィ(ベルリン・フィル首席)のトランペットソロが、見事でした。
マーラーの交響曲第1番「巨人」では、ルイージはオーケストラを煽り、木管金管を存分に響かせていましたが、弦とのバランスが崩れるところがなく、エネルギーに満ちた快演でした。第3楽章では、普通はやらないコントラバス8本で旋律を奏でていて、迫力があり驚きました。
終演後は、満員の聴衆からのスタンディングオベーションが10分くらい続きました。ファビオ・ルイージさんは、サイトウ・キネン・オーケストラのメンバーからの信頼が厚いと思われ、来年の出演も強く期待しながら帰途につきました。
【会場のキッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)】
建物と前の広場。
入場前なので、外に出ているお客様も多かったです。
会館の入口を入ったところです。グッズも販売されていて、買い求める人で賑わっていました。
【あらかじめ聴いたシュミット「交響曲第4番」収録のCD】
ヴァシリー・シナイスキー指揮マルメ交響楽団の演奏(NAXOS)。