安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ファビオ・ルイージ指揮 サイトウ・キネン・オーケストラ演奏会(8月23日 松本市キッセイ文化ホール)

2019-08-26 20:03:30 | 演奏会・ライブ

セイジ・オザワ・松本フェスティヴァル2019のオーケストラプログラムAを23日(金)に聴いたので、その感想を記します。

ファビオ・ルイージとサイトウ・キネン・オーケストラ。2017年の公演の際の写真。

(出 演)

指揮:ファビオ・ルイージ
管弦楽:サイトウ・キネン・オーケストラ

(曲 目)

シュミット / 交響曲第4番 ハ長調

〈休憩〉

マーラー / 交響曲第1番 ニ長調「巨人」

(感 想)

指揮者のファビオ・ルイージの個性が選曲、演奏に出て、サイトウ・キネン・オーケストラがそれに熱く応えた聴きごたえのある公演でした。オペラ「エフゲニー・オネーギン」の時は、静かに美しく、繊細さが目立ったルイージだったのですが、当夜はかなりダイナミクスの感じられる指揮ぶりでした。指揮棒を持たずに指揮していました。

予習でフランツ・シュミットの交響曲第4番のCDを聴きましたが、抒情性と空虚さと、悲しみが色濃く伝わる作品で、弦楽器にハープが絡む美しい旋律が出てくる佳曲で好きになりました。当夜も、サイトウキネンオケの弦楽器の美しさがとりわけ引き立ち、冒頭と最後のガボール・タルコヴィ(ベルリン・フィル首席)のトランペットソロが、見事でした。

マーラーの交響曲第1番「巨人」では、ルイージはオーケストラを煽り、木管金管を存分に響かせていましたが、弦とのバランスが崩れるところがなく、エネルギーに満ちた快演でした。第3楽章では、普通はやらないコントラバス8本で旋律を奏でていて、迫力があり驚きました。

終演後は、満員の聴衆からのスタンディングオベーションが10分くらい続きました。ファビオ・ルイージさんは、サイトウ・キネン・オーケストラのメンバーからの信頼が厚いと思われ、来年の出演も強く期待しながら帰途につきました。

【会場のキッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)】

建物と前の広場。

入場前なので、外に出ているお客様も多かったです。

会館の入口を入ったところです。グッズも販売されていて、買い求める人で賑わっていました。

【あらかじめ聴いたシュミット「交響曲第4番」収録のCD】

   

ヴァシリー・シナイスキー指揮マルメ交響楽団の演奏(NAXOS)。