村田沙耶香さんの2016年の芥川賞受賞作「コンビニ人間」(文春文庫)を読みました。
表紙。帯に書いてありますが、130万部突破はすごい。しかも、36か国・地域で翻訳されるとは。
(帯裏にある本書の紹介)
(感想など)
書店で本書を見た時には、「コンビニ人間」とは、買物やサービスなどコンビニに依存して生活している人のことだと思ったのですが、そうではなくコンビニで働いている人のことでした。このギャップが、僕には新鮮で、最初から物語の展開に興味をそそられました。
学校教育や、会社への就職、結婚や家族など制度として用意されている社会の仕組みや慣習に馴染めず、コンビニでバイトとして働いている女性が主人公です。他の人にやむを得ず同調しながら生活している様子が、情緒を絡めず描かれていて、度合いは異なるかもしれませんが、共感する人も多そうです。
主人公の女性や婚活目的の男性は、非正規雇用が多数になっていたり、引き籠りなど、現代の日本社会を色濃く反映しているように思えてなりません。将来、日本の社会は、どうなるのだろうかと、現実を考えさせてくれる小説でもあります。
(帯にある著者の紹介)