安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

NHK大河ドラマ「徳川家康」(DVD)を観て、本多隆成著「徳川家康の決断」(中公新書)を読みました。

2024-05-29 19:30:00 | 読書

レンタルで、NHK大河ドラマ「徳川家康」(1983年放映)を見だしたら、面白くて、つい全巻見てしまいました。ただ、実際はどうだろうかと、参考に本多隆成著「徳川家康の決断」(中公新書)を読んでみました。

【NHK大河ドラマ 徳川家康】

   

1983年に放送されたNHK大河ドラマ。『動乱の戦国時代を生き抜き、徳川三百年の礎を築いた徳川家康。その誕生から死に至る75年の波乱の生涯を描いた壮大な歴史ロマン!』

出演:滝田 栄、役所広司、武田鉄矢、大竹しのぶ、八千草薫、近藤正臣、池上季実子、夏目雅子、藤真利子、鹿賀丈史、長門裕之、竜 雷太、竹下景子、石坂浩二 ほか

原作:山岡荘八、脚本:小山内美江子、音楽:富田 勲

感想:家康の滝田栄さんなど配役が非常に良くて、全体にリアルに感じられ、重厚かつ面白いドラマでした。ただ、美化もされていて、例えば、旗印として掲げた「厭離穢土 欣求浄土」の意味には、違和感を感じて見ていました。そこで、本当のところを知りたいと、最新の家康に関する著書を読んでみました。

【本多隆成著 徳川家康の決断(中公新書)】

   

表紙

(著者略歴)

著者の本多隆成さんは、1973年静岡大学人文学部に赴任、2008年、同教授を定年退職。現在、静岡大学名誉教授・文学博士、専門分野は戦国史・近世史。『定本 徳川家康』(吉川弘文館)など著書多数。

(帯裏に記載された本書の概要)

(大まかな目次)

第1章 桶狭間の合戦 ー 今川からの自立へ
第2章 三河一向一揆 ー 家臣団の分裂
第3章 三方原の合戦 ー 滅亡の危機
第4章 嫡男信康の処断 ー 苦渋の決断
第5章 本能寺の変 ー 伊賀越えの苦難
第6章 小牧・長久手の合戦 ー 中央権力との対決
第7章 石川数正の出奔 ー 「家康成敗」の危機
第8章 小田原攻めと関東転封 ー 豊臣政権の重臣へ
第9章 関ヶ原の合戦 ー 天下分け目の戦い
第10章 大阪の陣 ー 徳川公儀の確立
終章 家康の人物像

(感想など)

2023年度のNHK大河ドラマが「どうする家康」に決まったことを契機に企画、出版が行われた新書です。徳川家康の政治面における通史ですが、最新の研究成果が反映され、要領よくまとまってもいて、非常に優れた内容です。

元亀三年(1572)の三方原の合戦における大敗、天正十三年(1585)の秀吉による「家康成敗」の危機、本能寺の変後のいわゆる「伊賀越え」を、家康の三大危機と著者はとらえています。武田信玄の死と天正大地震により二つの危機を乗り越え、家康は運が強いですが、全体を読むと実力があってのことと思わされました。

「家康の人物像」を記した終章は、家康が身近に感じられました。鷹狩好きなことや薬に関する関心などの健康志向、蔵書が多く、出版も行うなど学問への造詣の深さ、能や囲碁など芸能への関心など、非情な武将や政治家としての家康とは別の面を知ることができ、印象に残りました。

(著者経歴)

なお、今度は、2023年度に放映されたNHK大河ドラマ「どうする家康」をDVDで観ています。見終わったら、感想を記すつもりです。

ようやく、第16回まできました。

徳川家康役は、松本潤。

武田信玄役は、阿部寛。

合議。