定期購読しているジャズ批評9月号の特集は、「ヨーロピアン・スウィング」で、100枚のアルバムが紹介されています。同時に、渋谷一著「ギャンブル依存」(平凡社新書)を購入し読みました。北欧のピアニストのCDを。
JAN LUNDGREN (ヤン・ラングレン)
A SWINGING RENDEZVOUS (Marshmallow 2007年録音)
スウェーデンのピアニスト、ヤン・ラングレン(p, 1966年生)には、日本のレーベルによる制作を含めた多数の国内盤があり、さらに2022年にも来日をしているので、彼は、日本でも知られていると思います。現在、ドイツACTからアルバムをリリースしています。本作は、2007年録音のジャズ名曲集。
メンバーは、ヤン・ラングレン(p)、イェスパー・ルンゴー(b)、アレックス・リール(ds)。ルンゴー(1954年生)は、デンマーク出身で、デューク・ジョーダン(p)との共演があり、リール(1940年生)も同国出身で、ビル・エヴァンス(p)と共演したことは良く知られています。
曲目は次のとおり。
1 Keep It Moving (Wynton Kelly)
2 Soul Eyes (Mal Waldron)
3 Tricrotism (Oscar Pettiford)
4 Billy Boy (trad.)
5 Kelly Blue (Wynton Kelly)
6 Two Little Pearls (Oscar Pettiforod)
7 Well You Needn't (Thelonious Monk)
8 Blue In The Closet (Oscar Pettiford)
9 Third World (Hebie Nichols)
10 Lament (J. J. Johnson)
11 Whims Of Chambers (Paul Chambers)
ウィントン・ケリー作の2曲、オスカー・ペティフォード作の3曲、ハービー・二コルス作の1曲など。「Billy Boy」は、レッド・ガーランド(p)に録音があります。この選曲は、プロデューサーの上不さんの意向も入っているに違いありません。
ラングレン(p)、ルンゴー(b)、リール(ds)による演奏は、良くスイングすると同時に、決めるところは決まっていて、素晴らしいピアノトリオ。曲は、1950年~60年にかけて発表された有名曲が主で、それぞれのメロディも楽しめます。ラングレンとルンゴーがユニゾンでメロディをとるところも多く、ルンゴー(b)の妙技が披露され、ラングレン(p)の明快なタッチによる「Billy Boy」や、O・ペティフォード作の可愛らしいメロディの「Two Little Pearls」など、すごく楽しめました。
録音時の写真。左から、ルンゴー、ラングレン、リール。
(参考)本作から「Two Little Pearls」が聴けます。
【ジャズ批評 2023年9月号】
表紙
ヨーロッパのミュージシャン100人と代表作の紹介です。バップから現代まで、時代は多岐にわたります。面白そうなものがあれば、CDを購入するつもりです。
ジャズ批評誌で、僕が一番楽しみにしているのは、藤岡さんの「海外探訪記」です。今回は、ニューヨークの動向を伝えてくれています。
敦賀明子のハモンドB3と、コーリー・ウィーズ(Cory Weeds)のテナーサックスとの共演のことを、藤岡さんは書いていて、『これぞニューヨークだ、というサウンドに大満足。久々に痺れた!!』とのことです。Cory Weedsの新作CDがあれば、購入しようと思わせてくれました。
後藤誠一さんが、「ジャズとクラシックのすてきな関係」と題して、クラシック畑の人がジャズをやったもの等を紹介。指揮者のサイモン・ラトル(現在、ロンドン交響楽団音楽監督)が、デューク・エリントンの曲をフル・オーケストラでやったアルバム「Classic Ellington」があるのを初めて知りました。聴いてみたい。
【染谷一著「ギャンブル依存」(平凡社新書)】
表紙。帯の惹句が、ちょっとセンセーショナルですが、地道な取材に基づく本でした。
(帯裏にある目次抜粋)
(著者紹介)
(感想など)
ギャンブル依存は病気かどうかという点について、著者が引用した鶴見孝介氏(京大大学院、脳病態生理学)の説明は『病的賭博・問題賭博群は健常群と比較して反応抑制時に前頭前皮質の活動が低下していた。これは前頭前皮質の抑制系の機能異常により衝動性が亢進していると解釈することができる。』とありました。
店舗型の闇カジノは摘発される例がありますが、無店舗型のオンラインカジノ(海外で運営されている。)は、グレーゾーンで利用者は罰せられることがないようです。インターネットの世界はなんでもありかもしれませんが、驚きました。
聴きました。
耳なじみのいいピアノですね。
トリオ好き、ビギナーにも勧められる、
上質な演奏です。
ルンゴーも、ジョーダンとの演奏を
思い起こさせました。
ぺデルセンにしても彼にしても、
合わせものも
上手いですね。感謝です。
今回、ジャズ批評9月号の特集が、ヨーロッパのジャズなのですが、その中に、ヤン・ラングレンが出てこなかったので、ブログに書いてみました。本作におけるリズム陣もよくて、なかなかの良作だと思っています。
また、カーステン・ダール(p)についても、ジャズ批評では、挙げられていなくて、残念だったのですが、こちらは、手持ちのCDを全て過去にアップしているので、今回はラングレンにしました。
コメントありがとうございます。