伊那市に用事があり行ってきました。伊那市は、長野県の南部にあり、南アルプスと中央アルプスに囲まれた人口約7万人の市です。老舗のジャズ喫茶「アップル・コア」が閉店してからジャズ関連の店はないと思っていたら、「Jazz Cafe BASE」というところがあり寄ってみました。スピーカーは30年前くらいの木の格子のアルテックを使っていて雰囲気のあるいい音を出していました。かかっていたのは、スタン・ゲッツの「People Time」です。
STAN GETZ (スタン・ゲッツ) KENNY BARRON (ケニー・バロン)
PEOPLE TIME (EmArcy 1991年録音)
土曜日の午後7時くらいにBASEに入ったのですが、マスターとお客さん1人がいただけで、そのままジャズ談議になりました。そのお客さんはサックスをプレイするとのことで、スタン・ゲッツやマイケル・ブレッカーの話になりました。午後6時と遅い開店で、ジャズ・バーという趣もありますが、大きめの音でジャズを流しています。ライブも行っており、伊那近辺にいったらここに寄ることにします。
このアルバムは、スタンゲッツ(ts)とケニー・バロン(p)がコペンハーゲンのカフェ・モンマルトルでライブ録音したもの。スタン・ゲッツが亡くなる3か月前のもので、彼の最終作品です。
スタンダードとよく知られたジャズ・オリジナルがCD2枚に14曲収録されています。体調は万全でなかったはずですが、ゲッツはクール気味なトーンで力強くメロディアスに吹き、バロンはストライド奏法も交じえながらサポートに当たり、端正なソロもとっています。
この作品では、遅いテンポのものにより魅力を感じます。「East of The Sun」、C・ヘイデン作「First Song」やB・カーター作「People Time」は絶品といっていいかもしれません。やや早いものでは「Night And Day」が二人ともスリリング、「Hush-A-Bye」では、ゲッツが初めからフェイクしていますが、流麗な音のつながりは彼ならでは。
伊那市「Jazz-Cafe BASE」
ホームページに伊那市に一泊を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう 伊那市に一泊
この間近くのJAZZ喫茶に行ったのですが、小さめな音でガッカリしたこともあり、「BASE」みたいな店が近くにあり羨ましい限りです。なお、千葉にある「Candy」が「Basie」並の爆音で流していて気に入っています。
実は、テナーとピアノのデュオで、ベース、ドラムスが入っていないので、はじめ買うのを躊躇しました。しかし、ゲッツのメロディストぶりが際立っているので、購入して良かったと思っています。
Candyは行ったことがないので、いつか訪れてみたいものです。
さすが「市」ですね♪
街に一軒は、JAZZがながれているお店がある・・・そんな風景があればいいですね・・・
さらに、シナトラには、びっくり!!!
三具さんも知っておられるでしょうか?(笑)
かつて、この街にはジャズ喫茶があったのですが、閉店してしまってなにもないと思っていたので、見つけた時は嬉しかったですね。古いアルテックのスピーカーといのもよかったです。
「しなとら」を見つけた時には、思わずにやりとしました(笑)。たまに少し離れた街に泊るのもいいものです。
「ジャズ喫茶」は今では死語に近いようですが、青春のほとんどをそこで過ごした世代には懐かしい響きです。
「PEOPLE TIME」の「East of The Sun」はお気に入りです。ゲッツとバロンの緊張と寛ぎは心地良いですね。
>Coffee Windsさん
ラーメン店の「支那虎」は、三具さんから聞いて名前だけは知っております。美味しそうですね。
三具さんの講演を四谷の「イーグル」で2~3回お聞きしました。
シナトラだけでなく、ボーカル全般に熱い思いが溢れ、感心したことを覚えております。ボーカルっていいなぁと再認識もしました。
伊那市にも、いつまでもこの「ジャズ喫茶」が残ってくれることを祈ります。
このお店もそうですが、地方のジャズ喫茶店主は、全共闘世代のあたりの方が多く、あと10年もすれば都会はともかく地方では経営する人がいなくなるのではないかと思ったりします。寂しいですが、音楽の享受状況をみれば仕方ないことかもしれません。
このアルバムの「East of The Sun」は、僕も好きなプレイです。
Dukeさんへということですが、僕もシナトラ・ジャパン・ソサエティ監修のCDを時々購入するので、三具さんの丁寧な解説やその他ご活躍ぶりには感嘆しています。
余談ながら、シナトラ・ラーメンは結構美味しかったです(笑)。
紹介されるレコード、ホントにバラエティに富んでいて素晴らしいです。このCDは、僕がジャズに興味を持って最初に購入したものでした。当時、新発売で。
教えてくれる人もいなかったので、楽器の構成やメンバーを見る、なんて知らずに「スタンゲッツ」という覚えたての名前を頼りに買ったのを、昨日のように思い出しました。
azuminoさんもおそらくはそうだと思うのですが、僕はベースが好きです。このCD買って聴いた時に初めて、ベースもドラムも入っていないことに気づいて「ああ、楽器構成見てから買わないといけないんだ。」と学習しました。しかし、当初がっかりしたものの、今まで売らずに手元において何度も聴いてきました。ゲッツのメロディアスでありながら鬼気迫る演奏、とても素晴らしいと思います。ケニーバロンも、大好きです。
僕にとっては、当時のいろいろな事が思い出される特別なCDです。
思い出のレコード・CDがあるというのは、それだけ感動があったということで、すごく大事にしたいことだと思っています。僕にももちろんそういうアルバムがあります。
このゲッツのアルバムは、テナーとピアノという普通では飽きがくる可能性のある編成ですが、そこは二人の音楽性の高さでしょうか、そういうことが全くないもので、すごいなと感心した作品です。