久しぶりに長野市内のレコード店によったら、ジャズのLPを購入していく人が立て続けに3人もいました。「売れ行き好調ですね」と顔見知りのロック大好き店員に尋ねたら、「ジャズのLPは人気あります。ジャズいいですから。」とのこと。60代と思われる方が、エルヴィン・ジョーンズのLP「プッティン・イット・トゥゲザー」(Blue Note)を買っていったのにはびっくり。見習いたいと思いますが、帰宅すると癒し系作品を聴きたくなるこの頃です。
JANE HARVEY (ジェーン・ハーヴェイ)
FATS WALLER REVISITED (INNER CITY 1975年録音)
「ジェーン・ハーヴェイ」と声を出してみると、韻を踏んでいるような響きがあって、名前が印象に残ります。このアルバム(日本盤)はジャケットで敬遠しかねないのですが、あるレコード店で試聴させてもらったところ1曲めの「Squeeze Me」の出だしですぐにいいなと感じた作品です。店長さんいわく「ジャケットでみな騙されるけどいいですね」とのことでした。
題名どおり、ファッツ・ウォーラーが得意としたレパートリーをハーヴェイが歌ったものです。おなじみの「Ain't Misbehavin'」、「I Can't Give You Anything But Love」、「Honeysuckle Rose」などを丁寧に歌っています。それに加えて、ズート・シムズ(テナー・サックス)、ディック・ウェルステッド(ピアノ、編曲)ら伴奏陣も一流のベテランを集めています。シムズは「Two Sleepy People」で素晴らしいソロをとるなど活躍しています。
ジェーン・ハーヴェイは、1920年生まれで、ベニー・グッドマン楽団に4か月在籍し、その後クラブで歌ったり、イギリスでも録音するなどこの作品の録音当時には充分な実績のある歌手です。あまり知られていませんが、テンポの遅いものをじっくりと聴くのにとてもいい歌手です。