安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

デューク・ジョーダン PLAYS STANDARDS VOL.1

2011-08-07 19:27:26 | ピアノ

中部電力管内の長野県でも、浜岡原子力発電所の停止に伴う、節電の夏になっています。緑のカーテンを作るために、僕の回りではゴーヤを植えたという人が2~3人いて、去年まではなかったのですが、今年はゴーヤを既に2回ももらいました。いただいたゴーヤは、卵、もやしなどとの炒め物を奥さんに作ってもらって食べていますが、ニガウリともいうように、その苦みがビールにあいます。今夜は、しみじみとしたピアノトリオを。

DUKE JORDAN (デューク・ジョーダン)
PLAYS STANDARDS VOL.1 (Marshmallow 1983年録音)

 Playsstandards1dukejordan

デューク・ジョーダンの後期の作品の中でも、人気の高い一枚です。もともと、あまり派手さのない、バップ系統の演奏をする人なので、地味なプレイヤーといえますが、この作品は、有名なスタンダードを取り上げているので、テーマ、ソロの塩梅がよくて、飽きがきません。

ジョーダンは、作曲家として、「No Problem」や「Jordu」などいい曲を書いていますが、ピアノ・トリオでも、次にくる音を確かめながら弾き、作曲しているかのように感じることがあります。ジョーダン(p)、イェスパー・ルンゴー(b)、オーア・タンゴー(ds)というメンバーで、コペンハーゲンにおける録音です。

曲目は、「I Should Care」、「Autumn Leaves」(枯葉)、「Cry Me A River」、「Gone With The Wind」、「These Foolish Things」(想い出の種)、「The Way You Look Tonight」(今宵のあなた)の6曲。「I Should Care」だと、華麗なバド・パウエルや、「The Way You Look Tonight」では、キース・ジャレットのシングルトーンによる躍動的なヴァージョンなど、ジョーダンと対極な演奏があり、聴き比べをすることもできます。

アドリブにおいても、メロディーを紡ぎだしていくようなプレイは、テンポが遅い「I Shoud Care」や「These Foolish Things」で聴くことができ、哀愁が漂っています。「Autumn Leaves」は、なかなかリズミカルで、ベースも長いソロをとります。もともと大好きな曲「The Way You Look Tonight」では、テーマ部分を厚い和音を用いて奏でているのが、かえって新鮮でした。

なかなか手がつかずにいた、ホームページの更新を行い、ジャズにラルフ・シャロン(ピアノ)を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ラルフ・シャロン


カーメル・ジョーンズ The Remarkable

2011-08-03 23:31:06 | トランペット・トロンボーン

友人から、この果物は美味しいし、珍しいからと、「サマー・クリスタル」という名前のネクタリンをもらいました。ネクタリンは、小ぶりで食べやすいのですが、酸味が強いので、我が家では買うことがほとんどありません。しかし、この品種には驚きました。桃と比べても遜色のない甘さがあり、みずみずしくて、美味しいのです。開発した長野県内でもほとんど店頭に並んでいないようですが、出回ればネクタリンに対するイメージが変わりそうです。フレッシュな作品。

CARMELL JONES (カーメル・ジョーンズ)
THE REMARKABLE (PACIFIC JAZZ 1961年録音)

 Remarkable

トランペッターのカーメル・ジョーンズのデュー作品。1964年には、ホレス・シルヴァーのコンボに参加しますから、注目度も高かったに違いありません。パシフィック・ジャズは、西海岸で活動したレーベルですが、中にはかなりグルービーなものがあり、このアルバムは、その代表的な一枚です。

カーメル・ジョーンズ(tp)、ハロルド・ランド(ts)、フランク・ストラッツェり(p)、ゲイリー・ピーコック(b)、レオン・ベティス(ds)というメンバー。ゲイリー・ピーコック(b)が参加していることもアルバムの価値を高めています。また、ランド(ts)のプレイにも興味が湧きます。

曲目は、D・エリントン作「I'm Gonna Go Fishing」、H・アーレンの「Come Rain Or Come Shine」(降っても晴れても)、ジミー・ボンド作「Night Tide」、カーメルの自作が「Sad March」と「Stellisa」、そして「Full Moon and Empty Arms」(満月と寂しい私)の6曲。「Full Moon and Empty Arms」は、原曲がラフマニノフのピアノ協奏曲第2番です。原曲は映画に用いられるなど、名曲中の名曲です。

「I'm Gonna Go Fishing」は、いかにもこれからFishingだというご機嫌なプレイが聴けます。カーメル・ジョーンズの良く歌うフレーズに、バックのゲイリー・ピーコックのランニングベースがきいています。次の「Come Rain Or Come shine」もブリリアントなジョーンズの音色が冴えます。そして、「Full Moon And Empty Arms」は、はじまってすぐにラフマニノフのコンチェルトとわかる編曲が嬉しい。全体に、F・ストラッツェリ(p)が、ウィントン・ケリーばりのプレイで頑張っています。

【サマー・クリスタル(ネクタリン)】

 Summerprincenekutarin