Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

知的信用

2019年12月31日 07時00分43秒 | Weblog
法律時報2018年5月号 憲法の土壌を培養する
 木庭顕先生「知的階層の存立のためには自立的な経済的基盤が必要であるという点は動かないと思います。ただし経済的基盤は信用のタームで捉えられます。裕福でもその富を依存していれば失格です。貧しくとも自前でやっていければよいのです。しかし元手は必要です。社会保障は、一人一人自立できるようになされなければなりません。具体的には教育がポイントになります。自分が投資されていて資質を身につけていること、これが肝要です。政治システムの責任です。信用を与えるのですね。」(p73)
ちなみに私は最近中三高一くらいまで結構素晴らしい感覚を持っていることを確認する機会がありました。対するに、東大法学部の学生は、流石に時々素晴らしい素材が隠れていますが、総じて極端に没知性的です。豊かな家庭に育っても、知的な信用は入っていません。中等教育のところに大きな問題があります。そもそも経済社会が真に知的信用の入った自立的な個人を欲していません。依存体質の人間の方が都合がよいのです。だからあの馬鹿げた就活方式のリクルートがあります。」(p76~77)

 ここに出てくる「信用」、とりわけ「知的な信用」という言葉の意味をじっくり考える必要がある。
 そういえば、大学時代、小・中・高とゲーム感覚で受験をクリアーしてきたとおぼしき「秀才」たちをたくさん見たが、みな一様に集団志向・依存体質だったのを思い出した。 しかも、こうした人たちが日本の政官財界に多いことは、紛れもない事実である。
 私見だが、一部の私立中学・高校の教育システムが、こうした傾向を助長しているように思える。
 
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ギグエコノミー

2019年12月30日 08時16分34秒 | Weblog
ギグワーカー急増中。ギグエコノミーが社会にもたらすメリット&デメリットとは?
 「企業にとって、フルタイム従業員はコストが高く、また柔軟性に欠ける存在です。
もちろん、人間関係が大切なポジションや、品質の一貫性を保つためのポジションとしてフルタイム従業員は需要があります。しかし近年、周辺的な業務に関してはアウトソーシングするようになってきています。
 するとどうなるでしょうか。一部の基幹業務のみをフルタイム従業員に任せ、残りの業務をギグエコノミーの中で回すことになるかもしれません。その結果として、フルタイムの終身雇用はだんだんと減っていくでしょう。


 アメリカでは、2020年には、フリーランス・ワーカーが労働力人口の40~50%になるのではないかという予測が出ている。
 サラリーマン時代、隣の部屋は同期か先輩、上の階には上司が住むという、典型的な日本的社宅生活を送っていたころの私などはとても想像していなかった時代が訪れたのである。
 主にウェブサイトやアプリを通じて単発の仕事を受注する「ギグエコノミー」の拡大の影響によるものだが、当然、問題も出てくる。
 記事が指摘しているのは、正規雇用の減少だが、それ以外にも、最低賃金制がない、超過勤務手当も出ない、労災の対象外とされる、などという問題が挙げられ、自由の代償はそれなりに大きいものがある。
 
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体面を気にしない

2019年12月29日 08時38分56秒 | Weblog
ヒマラヤ漂流 『神々の山嶺』へ
 「楽しい旅であった。
  一生のうちに、そう何度もできるたびではない。
  メンバーも、場所もよかった。
  気心も知れているので、ゲロをはいても、おしっこを漏らしても
 ---つまり、どんなに恥ずかしい姿をさらすことになっても、
  「ま、いいか」
  と安心できる。
  カッコつける必要がない友人との旅はやはりいい。
」(あとがき)

 こういう文章を読むと、ふだん我々がどんなに体面を気にして生活しているかが分かる。
 私などは、電車の中ではくしゃみをするのも我慢しているくらいである(これはほかの人への迷惑を気にしているという側面が強いが)。
 だが、登山家にとって、メンバーがゲロを吐こうが、おしっこを漏らそうが、それは大したことではない。
 エベレストに登るような登山家は、体面などといった世俗的価値は、当然のように超越している。
 普段から、こういう状態・心境で生活していけたら、どんなに楽だろうかと思う。
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過払い金をめぐって

2019年12月28日 08時30分22秒 | Weblog
弁護士法人ベリーベスト法律事務所に対する非弁提携を理由とした懲戒請求事件について
 「ベリーベストを懲戒請求した人物は、他事務所からベリーベストに法律事務職員として送り込まれた産業スパイであることが判明しており、スパイを送り込んできた法律事務所の元代表弁護士と、同事務所の弁護士法人に対して、別途、懲戒請求を申し立てました。

 本日の「岡口基一の「ボ2ネタ」」に掲載されていたが、今度はVBが「産業スパイ」を送り込んできたとされるサイドを懲戒請求するという異例の事態に発展している。
 だが、ホームページ上で「産業スパイ」などと書くと、今度はそのことが懲戒事由に当たるとして、新たな懲戒請求がなされるおそれも考えられる。
 
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ヴァーチャル登山

2019年12月27日 08時23分38秒 | Weblog
ヒマラヤ漂流 『神々の山嶺』へ

 旅行に行くお金や時間のない人でも、地図や写真を見ながら空想の中で旅行をする方法があることを、野口悠紀雄先生は「超旅行法」で教えてくれている。
 それと同じように、エベレストに登る体力もお金も時間もない人でも、夢枕獏先生の本を眺めるだけでエベレストに登ったような気分に浸ることができる。
 もちろん、その前に「神々の山嶺」を読んでいる必要がある。
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時代は変わる

2019年12月26日 08時33分36秒 | Weblog
総務省のキャリア官僚の自殺 公務災害に認定
 「総務省に勤めていた31歳のキャリア官僚が、5年前に自殺したのは長時間労働によって、うつ病を発症したことが原因の過労自殺だとして、公務災害に認定されたことが分かりました。

 私が金融機関に勤めていたころは、年末は最終営業日である12月30日までフルに働いていたし、「貸し渋り」の年などは、窓口対応で年末年始も交代勤務だった。
 ところが、先日、大学時代の同級生と忘年会で話していたら、会社勤めの人たちの中には16連休などという人もいて、時代は変わったものだと驚いた。
 今や時代は「休め」であり、長時間労働は悪とみなされるのである。 
 もっとも、長時間労働などによる過労死・過労自殺が本格的に問題視されてきたのは、ここ数年のことである。
 そのきっかけの1つとなったのは、おそらく、高橋まつりさんの過労自殺事件であったと思われる。
 ちなみに、その事件で遺族の代理人を務めていた川人博弁護士が、引用した事件でも代理人となっている。
 高橋まつりさんの事件は4年前に起きているから、キャリア官僚が亡くなったのはその1年前ころということになる。
 この方も、5年遅く生まれていれば、違う人生を歩んでいたのかもしれない。
 合掌。
 
 
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年齢差別

2019年12月25日 07時36分13秒 | Weblog
医学部入試で「年齢差別あった」 男性が順天堂大提訴へ
 「大学は昨年12月の記者会見で、男性の不合格について「浪人年数に加え、特殊な事情があった」と説明。訴状によると、男性に「(社会人経験者が)入学後必須の1年間の寮生活という集団生活の中にあえて入るのはフィットするのかということを懸念した」と説明したという。男性は「普通ではない特殊な人物であるかのように言われ、名誉を傷つけられた」としている。

 大学側は、年齢だけで機械的に足切りしたのではなく、実質的な考慮を行ったうえで不合格と判断したのだから、当該判断には合理的な理由があるといいたいのかもしれない。
 このような、「社会人経験者は寮生活にフィットするか」という議論が争点になるようであれば、原告側にとってはあまりよろしくない展開だと思う。
 結論の出ない命題なので、合否の判断については何とでも説明がつくし(落ち着いた雰囲気の人物を「暗い」と評価して落とす面接試験を考えるとわかりやすい)、裁判所はこの種の判断を回避する傾向にあるからである。
 だから、代理人としては、提訴前に、社会人経験のない(他学部等出身の)・同年齢以上の受験者がことごとく落とされていることまで確認をとっておきたいのである。
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OBとご先祖様

2019年12月24日 08時26分42秒 | Weblog
総務次官の情報漏洩、舛添氏がキャリア官僚に苦言「政治家や国民への忠誠心よりも上下関係が絶対」
 「舛添氏は「キャリア官僚は入省年次ですべてが決まってしまう。とくに総務省というのは、郵政が一部入って来たので、郵政は郵政の繋がりがある。両者のことをよく知っているが、『お前、ちょっと知らせろよ』と言われたらNOとは言えなかっただろう」と話した。

 官僚にとって、「省」は「家」であり、OBは「ご先祖様」である。
 ご先祖様に対しては、「当主」といえども逆らえないのは当然である。
 ただ、ちょっとややこしいのは、総務省は、3つの「家」が合体してできていることである。
 今はたまたま「郵政家」の当主が事務次官だったので、「郵政家」のご先祖様に情報漏洩が出来たのだろう。
 ところで、国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げる法案が提出されるようだが、これで、シャバに介入してくる「ご先祖様」が少しは減ることになるかもしれない。
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お金の流れ

2019年12月23日 08時33分41秒 | Weblog
法曹界きっての「IT革命児」がはまった深い谷
 「本件は、過払い金返還請求の依頼者について、いったんは司法書士事務所の新宿事務所が受任したものの、過去の取引履歴を調べると過払い金が140万円を超過することがわかったため、事件をベリーベスト法律事務所に引き継いだ。
 しかしその際、1件当たり19万8000円が新宿事務所に支払われており、それが「紹介の対価」で「非弁提携」にあたるという訴えだ。


 「ベリーベストから新宿事務所へ」というお金の流れの点に疑問が沸く。
 そもそも、途中辞任した新宿事務所は、着手金等を全く受領できないのだろうか。
 訴額140万円を超えることが事後的に判明したとしても、それまでに行った労務(引き直し計算など)への対価が発生しないというのはおかしいように思われる。
 素直に考えると、新宿事務所は、業務遂行の程度に応じた着手金等を受領したうえで、取引履歴や引き直し計算書等を依頼者に返還し、依頼者は、これらの資料を携えて、弁護士事務所に相談に行くのが筋であるように思う。
 これを受けた弁護士事務所において、途中からの受任という理由で着手金を減額すれば、依頼者の負担は解消・軽減されると思うのだが・・・。
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行為債務における債務の変更

2019年12月22日 07時00分10秒 | Weblog
K-BALLET COMPANY Spring 2020「トリプル・ビル」公演に関するお知らせ
 「K-BALLET COMPANY Spring 2020「トリプル・ビル」公演は、都合により、オーケストラ生演奏から録音音源での上演に変更させていただくこととなりました。何卒ご了承賜りますようお願い申し上げます。
 「◎公演中止の場合を除き、実施するすべての公演に関して、主演者をはじめとするキャスト変更に伴うチケット代金の払い戻し、公演日や券種の変更は原則としてお受けできませんので、あらかじめご了承ください。

 バレエの公演で、当初は「オーケストラ生演奏」と謳っていたのに、先行販売の終了後、主催者側により「録音音源」に変更とされたケースがある。
 ところが、約款では、公演内容は主催者側の都合によって変更等が可能であり、かつ、公演中止の場合を除いて払い戻しなどはしないとされているため、この定めが、「事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項」や「事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項」を無効とする消費者契約法8条、あるいは、「民法 、商法 (明治三十二年法律第四十八号)その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって、民法第一条第二項 に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは、無効とすると定める同法10条に抵触しないかが問題となるのではないかと考えられる。
 まず、「オーケストラ生演奏」を「録音音源」に変更する行為は、行為債務において、契約締結後、債務者が債務の内容(の一部)を、一方的に(合意なく)変更したものと解することが出来る。
 消費者契約法との関係では、このような変更が、民法上の債務不履行に当たるかが問題となるだろう。
 ところで、多くの教科書において、行為債務の内容の確定はかなり難しいことが指摘されている。
 それゆえ、何が「変更」に当たるかも難しい問題をはらんでいるのだが、本件の場合、当初「オーケストラ生演奏」と表示していたのだから、これは行為債務の内容を成していると考えるのが自然である(このことを加味して料金も設定されているはずである。)。
 そうだとすれば、「オーケストラ生演奏」は契約内容の一部なのだから、契約の一般原則に従えば、これを変更するためには合意が必要ということになる。
 したがって、債務の内容を合意なくして変更し、かつ、そのような給付がなされれば、それは債務不履行ということになるのではないだろうか。
 私見であるが、キャストや演目の変更などがありうることは当初の合意内容に含まれていると解することが出来るけれども、生演奏から録音音源への変更は、さすがにキャストの変更などと同列に扱うことは出来ないと思う。
 例えば、建築請負契約において、当初の見積もりでは全てヒノキが使用される前提で報酬金額が合意されたのに、その後、施工者の都合で素材が一部スギに変更された場合と比べてみるとよい(代金減額がなされるのが通常だろう)。
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