Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

シーセッション

2021年06月30日 06時30分37秒 | Weblog
女性の不況「シーセッション」が世界で深刻化 日本、家事負担や職種の偏りが雇用悪化に直結
日本総研の井上恵理菜氏の先進13カ国を対象にした調査では2019年、女性の就業者のうち飲食、宿泊など対人サービス業で働く人の割合は日本は37%で、スペインに次ぎ2番目に高かった。雇用形態では、パート(日本は非正規)で働く人の比率が46%を占め、オランダ、スイスに次ぐ高さとなった。
 井上氏はこれらの特徴が日本の女性の雇用悪化に直結したとみる。昨年7~9月の就業者(25~54歳)が前年同期比でどれだけ減ったかの計算では、日本の女性は2・8%(約51万人)減で、男性の1・6%(35万人)減を1・2ポイント上回った。この「男女差」はイタリアに次ぎ2番目の高さだ。井上氏は「同一労働同一賃金の欧州と比べ日本は非正規の労働条件も悪く、雇用の厳しさが際立つ」と指摘した。


 「同一労働同一賃金の欧州と比べ日本は非正規の労働条件も悪く、雇用の厳しさが際立つ」という最後の一文が重い。
 「同一労働」に対し異なる賃金・待遇が許される日本の制度は、ヨーロッパでは考えられないものである。
 こうした構造的な「差別」のため、日本における「シーセッション」は、外国よりも規模が大きいものとなっているようだ。
 私見では、この種の構造的な「差別」は犠牲強要の一種であり、これをいともたやすく受け入れてしまう社会に根本的な問題があると思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

部活と軍事化

2021年06月29日 06時30分59秒 | Weblog
ドイツの学校には なぜ 「部活」 がないのか 非体育会系スポーツが生み出す文化、コミュニティ、そして豊かな時間
 「・・・イギリスの場合、ゲームはゲームという一種の相対化するような見方があったことに対し、日本の場合はゲームに対して「徹底主義」や「没我」「徹頭徹尾犠牲」といった態度やメンタリティがあったといいます。応援団にしても、味方を鼓舞するだけではなく、対戦相手を罵倒してでも勝利に導くのだという考え方があり、「フェアプレー」とは言い難い行動がありました。」(p176~177)

 「非軍事化」を狙って構成されたイギリスのスポーツマンシップに対し、導入当初の日本の「スポーツ」は、明らかに軍事化を目的としていた。
 向かう方向がまるで逆なのである。
 だから、これが戦時中は「軍事教練」として強化され、戦後も一部の「部活」では、軍事化を模倣するかのような指導(体罰を含む)が行われてきたのだろう。
 しかも、こうした「自己決定なき状態の狭量なスポーツマン」=「体育会系の人」(p175)は、日本の多くの企業組織において重宝される。
 「日本のスポーツマンは一種の洗脳状態のようになり、「勝利至上主義」を受け入れやすくなるのかもしれません。」(p175)という著者の言葉は、「ノルマ至上主義」に走る、こうした「自己決定なき人たち」に向けられた言葉のようにも思えてくるのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

やりかねない人たち

2021年06月28日 06時30分52秒 | Weblog
タワマンに外車…浪費癖が仇になった経産省キャリア2人の給付金詐欺とお粗末過ぎた国会の女子トイレ盗撮〈dot.〉
 「「経産省と聞いて、やりかねない気がしました。若手はもとより全体に言えることですが、今の官僚に使命感やロイヤリティを求めるのは幻想で、モラルが崩壊しています。給付金は支給の遅れを政治家から非難され、審査プロセスがどんどん簡素化、悪く言えば、適当になっています。そうした内情を理解した上での犯行でしょう。だからこそ一層、悪質だと思います」
 また衆院は25日、国会議事堂内の女子トイレで起こった盗撮事件について、経産省の男性職員が盗み撮りを認めたと発表した。警視庁麹町署が捜査中だという。


 「官僚のモラル崩壊」は、おそらく大蔵省接待汚職事件あたりから顕在化したと思うが、経産省について言えば、近年ではキャリア職員の覚せい剤密輸・使用事件などもあり、もはや「何でもあり」といった感がある。
 事態は深刻で、上の記事も指摘するとおり、給付金詐欺と盗撮を行ったのが一部の例外的な官僚だという想定はおそらく間違っている。
 ちなみに、「汚職の通産」というのは30年以上から言われていたことらしい(佐藤優 組織で生き抜く極意「上司は選べないが部下は選べる」)。
 私も、この省と関係のある組織にいたことがあるので、こういう組織の「文化」があると指摘されても驚かないが、給付金の件は、これだけでは説明できないだろう。
 というのも、組織の「文化」にまだ染まりきっていないとみられる、入省して日の浅い若手キャリアが事件を起こしているからである。
 おそらく、「チャラ男の自覚」でも指摘したとおり、中等教育のところで大きな問題があるところに、この種の「チャラ男」をこの省が好んで採用してきたというのが実態なのだろう。
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

もっと詳しく!

2021年06月27日 06時30分15秒 | Weblog
【舛添直言】都議選目前での「小池入院」見殺しにされる都民ファ
 「約1兆円もあった財政調整基金などの「貯金」が瞬く間に無くなったのは、主としてコロナ対策のためであるが、公明党の要求に応えるために大盤振る舞いしたことがあることも忘れてはならない。その意味で、都議会を支配する地位にいた公明党の責任は重い。
 この党は、あくまでも権力志向であり、そうなった1つの原因は、特に地方自治体においては議会で警察委員会を牛耳ることによる旨みを味わってきたことにある。


 この人が政治問題について書くと結構な重みが出てくるが、とりわけ最後の一文が気になった。
 「地方議会の警察委員会を牛耳ることによる旨み」とは、具体的には何だろうか?
 もっと詳しく知りたいと思った人は多いだろうが、次の文ではコロナ対策に話題が転じている。
 桝添流の余韻を残すやり方なのかもしれないが、読む側には欲求不満が残る。
 誰か続きを書いてくれないものだろうか?
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

抽象的な上司

2021年06月26日 06時30分06秒 | Weblog
延期で簡素化必要に はしご外されたMIKIKO氏
 「総合統括だった狂言師野村萬斎について式典チーム関係者は「話が観念的で抽象度が高く実効性に欠けていた」とし、こちらも自然と距離が離れた。

 サラリーマンなら誰しも経験したことがあると思うのは、「抽象的な指示しか出さない上司」だろう。
 (もちろん、私は野村氏がそうだと言っているのではない。)
 
「これ、うまくやっといて」抽象的な指示しか出さない上司の罪深さ
 「【真子】職場での会話でも、上司が「これ、うまくやっといて」みたいなことをよく言います。そんな抽象的な指示を投げたら部下から何が返ってくるかわからないというリスクをはらんでいるのに、上司はそのことに気づかない。
 それで、部下がアウトプットを持ってくると、「何でもっとうまくやらないの」と怒る。部下は「もっと具体的に言ってくれればいいのに」とイライラする。こうした場面は多いですね。


 まさに「サラリーマンあるある」で、私も同様の経験をしたことがある。
 信用調書を作成して上司に持っていくのだが、そのたびに「読む気がしない」という理由で突き返されるというやり取りが延々と続いた。
 どうやら「文章が気に入らない」ということのようだったが、具体的にどう修正すべきかについて一切指示は出なかった。
 こういう状況で部下が受ける精神的なダメージは相当なものがある。
 例えば、決裁済みの公文書について、上司から「〇〇を厚遇したと受け取られる恐れがある部分を削除せよ」という抽象的な指示を受けたとして、部下が「厚遇した事実はないし、そのように受け取られる恐れがあるような記載はしていない」と反論したとしよう。
 これに対し、上司が、「〇〇を厚遇したと受け取られる恐れがある部分は間違いなく存在する。よって当該部分を削除せよ。」と指示を繰り返し、これに部下が「そのような部分が存在するのであれば具体的に示して欲しい」と再反論したとしよう。
 ここでトドメを指すのは、「どこが当該部分に当たるかは自分で考えろ」という上司の言葉である。
 私は、こうしたやり取りが日本の各地で行われており、「抽象的な上司」が部下をメンタル疾患に追い込んでいるのではないかと想像するのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

受験も塾もない国(2)

2021年06月25日 06時30分29秒 | Weblog
お受験がない国
 「受験も塾もないスウェーデン。
 他の北欧の国にも、受験がない(ハズ)。
 受験のない代わりに、高校での成績がほぼすべてを左右する。
 センター試験のようなものもあるけれど、それに失敗したからといって浪人確定ということにはならず、そもそも浪人という言葉はないと思われる。
 その試験は年に2回あり、知能テストのような内容も含まれている。
 現在のスウェーデンは、高校卒業後の大学進学は当たり前ではないようである。
 スウェーデンも日本と同じで、「将来を何をしたいのかわからない」子どもたちが増えている。
 そこで高校卒業後は、まず自分探しの旅に出る。という子どもたちも多く、海外へ旅行なり仕事なり、ボランティアなりをしに行ってしまい、自分を見つめ直している。


 スウェーデンのシステムはなかなか理解が難しい。
 まず、受験がない代わりに高校での成績(平常点?)が決定的だという。
 これは、無駄な競争や運・不運などの要素を除去する点では有益と思われる(とはいえ、「平常点重視」→「毎日が試験」のようになっては元も子もないが・・・)。
 次に、大学進学は当たり前ではないし、大卒だからといって就職に有利となるとは限らないそうである。
 就職にあたっては、「その分野」の学歴、経験・知識が求められるというから、ドイツの職業教育に似た側面がありそうである。
 日本にとってヒントになりそうなのは、① 受験の廃止(平常点重視)、② 高等教育におけるスペシャリスト養成、といったところか?
 あれ、これは法科大学院構想と似ているではないか!
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

反社認定(9)

2021年06月24日 06時30分04秒 | Weblog
518ページの「赤木ファイル」公開 近畿財務局は実名公開で本省キャリアは黒塗りの理不尽〈dot.〉
 「森友学園問題を国会で追及してきた福島伸享元衆院議員はこう語る。
「財務省は責任を赤木さんら近畿財務局に押し付けるようなやり方をしていたのではないのか」
 福島氏は財務省が赤木さんらに宛てたメールで名前が登場。福島氏からの資料要求にについて財務省が<近畿(財務局)に探させているけどなかなか…>とごまかし、引き延ばすような文言もあった。福島氏はこう話す。
「私は官僚だったので、絶対に決裁文書があると要求を続けた。引き延ばして、公文書を改ざんする時間稼ぎだったのでしょうかね。公開されたファイルは赤木さんら近畿財務局の名前は出ていて、財務省側の名前が黒塗りになっている。“キャリア隠し”ですね。本当にひどい。財務省は赤木ファイルだけではなく、まだ森友学園問題の真相にかかわる文書を隠しているはず。赤木ファイルをきっかけに、新たな文書が出てくるように期待したい」


 記事によると、提出された備忘記録に書き込まれた手書きの文字はどうやら赤木さん本人のもののようだ。
 改ざんの「指示者」の名前が黒塗りにされ、近畿財務局側の人物名は出ているため、”キャリア隠し”と指摘されているが、ここで大きな問題が看過されているように思う。
 それは、近畿財務局側の抗命義務である。
 報道を見ると、近畿財務局は、「組織の掟」として指示に「従わざるを得なかった」という同情的な論調が大半だが、これは「強い者には従うしかない」という思考にほかならない。
 この発想がある限り、同種の事件は防止できないと思うのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

反社認定(8)

2021年06月23日 06時30分33秒 | Weblog
国が赤木ファイル提出 財務省、決裁文書改ざん
 「森友学園の国有地売却問題を巡る財務省の決裁文書改ざんで、国は、自殺に追い込まれた近畿財務局の元職員赤木俊夫さん=当時(54)=が改ざんの過程をまとめた「赤木ファイル」を大阪地裁に提出したことが21日、関係者への取材で分かった。

 開示されると言うけれど、いわゆる「海苔弁当」状態である可能性がある。
 それに、手書きの書面ならともかく、ワープロ打ちの書面だとすれば、契印でもされていない限り、開示される書面が改ざんや差し替えがされたものでないことを確認するのは難しそうである。
 契印というものの重要性を改めて認識させられる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

個人の覚醒

2021年06月22日 06時30分10秒 | Weblog
摘録 断腸亭日乗 (上)
 「西洋にも政治に関し憤怒して大統領を殺せしもの少なからず、然れども日本の浪士とは根本において異る所あり。余は昭和六、七年来の世情を見て基督教の文明と儒教の文明との相違を知ることを得たり。浪士は神道を口にすれどもその行動は儒教の誤解より来れる所多し。そはともあれ日本現代の禍根は政党の腐敗と軍人の過激思想と国民の自覚なき事の三事なり、政党の腐敗も軍人の暴行もこれを要するに一般国民の自覚に乏しきに起因するなり。個人の覚醒せざるがために起ることなり。然りしかうして個人の覚醒は将来においてもこれは到底望むべからざる事なるべし。」(p345)

 相沢事件後の軍法会議審判の新聞記事に関して書かれた日記であるが、なかなか鋭い。
 まず、当時の陸軍皇道派の行動原理(過激思想)は「儒教の誤解」に基づくものだと指摘している(ちなみに、相沢三郎は、当時病気であった可能性も指摘されている。)。
 儒教は、軍事化又は枝分節(segmentation)集団形成のために転用(誤用)されたというのである。
 他方において、政治における集団=政党は腐敗を極めていたというが、最も重要なのは、「一般国民の自覚に乏しき」ことだというのが、永井荷風の見解である。
 これは、夏目漱石の「私の個人主義」に通じるところがあると思う。

私の個人主義
 「こうした弊害はみな道義上の個人主義を理解し得ないから起るので、自分だけを、権力なり金力なりで、一般に推し広めようとするわがままにほかならんのであります。だから個人主義、私のここに述べる個人主義というものは、けっして俗人の考えているように国家に危険を及ぼすものでも何でもないので、他の存在を尊敬すると同時に自分の存在を尊敬するというのが私の解釈なのですから、立派な主義だろうと私は考えているのです。
 もっと解りやすく云えば、党派心がなくって理非がある主義なのです。朋党を結び団隊を作って、権力や金力のために盲動しないという事なのです。それだからその裏面には人に知られない淋しさも潜んでいるのです。すでに党派でない以上、我は我の行くべき道を勝手に行くだけで、そうしてこれと同時に、他人の行くべき道を妨げないのだから、ある時ある場合には人間がばらばらにならなければなりません。そこが淋しいのです。


 さて、その後の日本において、「個人の覚醒」は達成されたといえるのだろうか?
 今なお社会のあちこちで、「金力と権力」に群がる集団、あるいは、これによって他人を支配しようとする集団が猛威を振るっているのを見るにつけても、荷風先生の言葉(予言?)は全く色あせていないと思うのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツイッターとエピグラム

2021年06月21日 06時30分24秒 | Weblog
フジ「イチケイ」竹野内豊演じる主人公と酷似 弾劾訴追された仙台高裁の“カラス”
 「「岡口さんは2016年にも、上半身裸で縛られた男性の画像を投稿して訴追請求され、不訴追とする決定が出ている“変わり者”の裁判官ですが、今回の訴追理由はツイッターに不適切な投稿をした、というもので、クビにするにはどうなのか司法界でも異論が出ています。実は岡口さんは以前から裁判所組織の体質を批判している事でも知られていて、黒川弘務・前東京高検検事長の定年延長に関する法解釈変更をめぐっては、民放ラジオ番組に出演して『こんなことで解釈変更が認められてしまうと、マトモな法治国家とは言えない』と真っ向から批判していました」(全国紙司法記者)

 ツイッターは140字の制限があるわけだが、古代ギリシャ・ローマにも似たようなものがあった。
 エピグラムがそれである。
 原義は「(墓の)上に書かれた詩」、つまり墓碑銘である。
 岡口判事の弾劾事件は、不当と言うほかないものだが、この件が、裁判官の表現の自由(あるいは裁判官ないし裁判所の独立)の墓碑銘とならないことを祈るばかりである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする