Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

夜の修習

2022年01月31日 06時30分15秒 | Weblog
「いまであれば“セクハラだ”と当然言われる状況であった…」女性司法修習生に求められていた“夜の修習”の実態に迫る
 「現在はどうなっているのか知らないが、検察庁がとくに派手で、夕方も6時を過ぎれば役所のそこここでビールに乾きもののつまみが供され、修習生や若手の検事ばかりか、部長やはては検事正までが一緒になって談笑するのである。修習生といえどもその半年や1年後には法曹界へ入るわけだから、先輩たちも丁重に扱ってくれる。しかも女性となると修習生が50人いてもわずかに2、3人しかいないのが当時は普通だったから、いやでも目立ってしまう。部長以上のお偉いさんの隣りに場を占めさせられて、ビールを注いだり、タバコに火をつけたり、まるでホステスまがいのことだって堂々とやっていた。現役で合格してきた若い女性修習生は、慣れないことで嫌だと思っていたかもしれないが、私は嫌がってみても始まらないので、いつもニコニコと男性たちの間で自然に振る舞っていた。

 私が知る限り、時代を経ても実態は余り変わっていないと思われる。
 私が修習生のころも、特に検察庁は、任官志望者(とはいえ、本当に採用したい人を中心に)を集め、頻繁に飲み会その他のイベントを催していたという記憶である。
 集合修習となると極端で、夕方になると、任官志望者は毎日のように教官室に集まり、酒を飲みながら教官の話を聞くのが習わしだったようだ。
 教官はほぼ全員特捜部出身なので、修習生に自分の手柄話をするらしく、「俺が権力だ!」というたぐいの話題で持ち切りだったらしい。 
 さて、この種の「夜の修習」が加入儀礼(イニシエーション)であることは明白なのだが、若くて純粋、かつ権力志向の強い人ほど、これに影響されがちなのだ。
 かくして、若き修習生は、「我が組織の存続」のために全精力を注ぐ幹部候補生となる。
 さらには、大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件のように、組織のために犯罪すらやりかねない人物を生み出すこともあるのだ。
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暴力と企み

2022年01月30日 06時30分09秒 | Weblog
旧ソ連圏の主導権めぐり中ロに不協和音 ウクライナ攻撃抑止「影の主役」は習主席?【解説委員室から】
 「中国はベラルーシにも工業団地建設を進めているが、2020年にベラルーシで独裁者・ルカシェンコ大統領への反対デモが吹き荒れた時、中国は後ろ盾のロシアに対し、軍事介入しないよう警告したとの情報がある。
 旧ソ連諸国に経済力で平和的に進出しようとする中国と、軍事力による影響力拡大を図るロシアでは、相入れないのだ。
 2月4日の中ロ首脳会談で、習主席がロシアの強硬外交に対し、水面下で自制を働き掛けるかどうかが注目される
。」

 旧ソ連諸国に経済力で「平和的に」進出しようとする中国と、「軍事力」による影響力拡大を図るロシアとの間に不協和音が生じていると指摘している。
 この記事を読んで、私は、「オデュッセイア」の第九歌を思い出した。

ホメロス オデュッセイア(上)
 「『ポリュペモスよ、浄らかな夜を騒がしてそのような大声をあげ、われらの眠りを妨げるのは、一体どういうひどい目に遭ったというのだ。どこぞの人間が、お前の家畜をむりやりにさらってゆくとでも、それとも誰かが悪巧みをめぐらすか、暴力をふるうかして、お前を殺そうとしているとでもいうのか。』
 すると豪力無双のポリュペモスが、洞窟の中から答えていうには、
 『ああ皆の衆、暴力ではなく、企みで俺を殺そうとしている奴はなあ、「誰もおらぬ」じ(の)だ』
」(p236)

 暴力(ロシア)にせよ、企み(中国)にせよ、他国・他者を自分の支配下におこうとする国のことを、ホメロスであれば隻眼の巨人キュクロプスになぞらえたのではないだろうか?
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失言(2)

2022年01月29日 06時30分06秒 | Weblog
バイデン氏、プーチン氏は「ウクライナ侵攻するだろう」 西側試せば「高い代償」
 「アメリカのジョー・バイデン大統領は19日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナに「侵攻」するとの見解を示した。ただ、「本格的な戦争」は望んでいないと述べた。

 飲食店で海老の塩焼きを注文し、テーブルに運ばれてきた料理を見て、「あ、海老がちっちゃ~い!」と大きな声で言ってしまう蛭子さん(失言)ほどではないけれど、バイデン大統領にも失言癖があると見た。
 私が失言又は危ない発言だと思ったのは、① 危機発生当初における「軍事的措置はとらない」、② (プーチン氏は)「本格的な戦争」までは望んでいないとみている、という2つの発言である。
 ①と②を合わせると、バイデン氏は、「小規模な進攻なら、経済制裁で応じる」というメッセージを発しているように解釈されかねず、そうなると、プーチン氏は「サラミスライス」で応じる可能性が高くなる。
 ロシアは、長期にわたって経済制裁を受けて来たので、これ以上の経済制裁が与えるダメージをさほど恐れないと思われるからである。
 要するに、バイデン氏の発言は、「小規模な進攻」を事実上容認したに等しいと言える。
 これは弁護士らしからぬ発言で、呆れてしまう。
 「こちらの手段を最初から明かさないこと」は、交渉ごと全般の鉄則である。 
 例えば、金銭請求の事案などで、請求を行う側の代理人弁護士が、「法的措置はとりません」などと言ってしまうのはタブーである。
 相手側はこれを聞いて、とことん支払を遅らせる(あるいは最後まで支払を拒絶する)作戦をとる可能性が高まるからである。
 これと同様に、外交においても、最初から自分の作戦を開示してしまうのは、全く愚かなことだと思うのである。
 「ちっちゃい海老」を見ても、「ちっちゃい」などと本心を言ってしまわないのが、大人の知恵というものだ。

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カマリナ沼

2022年01月28日 06時30分12秒 | Weblog
偶像の薄明 著者 ニーチェ
 「私自身ギリシアの諺を使って「沼を動かす」と呼んでゐるものを、ワグネリアンはしまひにはリズミカルだと呼ぶようになる。」(p53)
 
 古代ギリシャの格言に、「カマリナ沼をかき回すなかれ」というのがあるらしい。
 ちなみに、これはエラスムスの「痴愚神礼讃」の中でも引用されているそうだ(■「カマリナの沼はかき回さず」)。
 カマリナ沼の泥は瘴気を生じさせるとされており、かき回すと病気を発生させてしまう。
 だから、かき回さず、黙って通り過ぎるのが賢明だというのである。
 ニーチェは、ワーグナーの音楽は「沼を動かす」ものであり、「趣味の腐敗」を生むものであると厳しく批判している。
 言われてみれば、人間というものは、ワーグナーに限らず、ちょっと不気味な、腐敗臭のあるものに惹かれる傾向があると思う。
 これを、フロイト先生ならば「死の欲動」と呼ぶことだろう。
 もっとも、人間の暗部に切り込む精神分析学や文化人類学(民俗学も含め)などは、おそらく「カマリナの沼をかき回す」学問なのかもしれないので、こういう指摘をすること自体控える方がよいのかもしれない。
 
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科学的証拠

2022年01月27日 06時30分15秒 | Weblog
司法が依拠すべき「科学」とは~乳腺外科医事件で最高裁弁論
 「本件では
①被害者の胸を警察官がガーゼで拭って採取した微物についての警視庁科学捜査研究所による鑑定は科学的な証明力を有するか
②被害者の訴えは、手術後の「せん妄」による幻覚だった可能性があるか否か
――が主たる争点になっている。
 ①について弁護側は、本件では付着していたDNAの量が問題になっているのに、科捜研技官がDNA量の検査結果を示す客観的データや、再検査のために残しておくべきDNA抽出液を廃棄したことを問題視。唾液の付着を調べるアミラーゼ検査も、色調の変化を証明するための写真など、客観的なデータがないと指摘した。


 「科捜研による鑑定は信用できるか」が大きな争点となっている。
 もちろん、ここでは「科捜研は専門家だから間違いない」という発想をいったん捨てた上で吟味すべきところだが、記事を読んだ限りでは、かなり杜撰な方法で鑑定がなされているように見える。
 ちなみに、上の事件とは性質が異なるけれど、「科学的証拠」に全面的に寄りかかることの危険性を示す事件の一つとして、高隅事件(鹿児島夫婦殺し事件)が挙げられる。
 捜査中、警察は被告に任意提出させた陰毛の一部を紛失していたが、その紛失した毛が、いつの間にか「被害者の遺体から検出された毛」として鑑定に回されたのではないかと疑われた事案である。
 過去にこういう事案があったので、「検体の唾液は、本当に被害者の胸に付着していたのか?」という疑念すら生じてしまうのである。
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二正面作戦

2022年01月26日 06時30分48秒 | Weblog
老人支配国家 日本の危機 エマニュエル・トッド
 「中国が”世界の工場”となり、欧米の多国籍企業が法外な利潤を得る一方で、先進各国で「産業空洞化」「賃金低下」「雇用喪失」「格差拡大」が生じ、この流れが行き過ぎました。これが「自由貿易」「グローバリゼーション」という美名の下になされてきたことの実態だったのです。この実態を「中国による死」(ピーター・ナヴァロの著書名)と見抜いたのが、”トランプの慧眼”と言うべきところで、2016年の大統領選でのトランプの勝利につながりました。」(p155)
 「ですから、”コロナ後”の今日において、”新しいタイプの全体主義国”として世界に”脅威”を与える中国に対して、世界が連携して、これに対抗する必要があります。冷戦期の「ソ連封じ込め」のような「中国封じ込め」です。」(p158)

 トッド氏は、中国を差し当たり「封じ込め」ておけば、やがて急激な人口減少によって”脅威”ではなくなるという見立てである。
 他方、ロシアに対してはなぜか好意的で、日本はロシアと友好関係を築くべきであると「対露接近」を提唱している。
 確かに、経済的な衰退の過程で「内部対立の外部転嫁」を図ろうとする国を封じ込める必要があるというのはそのとおりだが、その一方で、軍事力によって露骨に「サラミスライス」を狙う国の動きを容認するというのは、政治的な判断としては難しいだろう。
 かくして、米欧は、好むと好まざるとにかかわらず「二正面作戦」を強いられることになるのではないかというのが、私の予想である。
 
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隠れた批判

2022年01月25日 06時30分50秒 | Weblog
源氏物語入門 〈桐壺巻〉を読む 著者 吉海 直人
 「そうなると、藤壺(桐壺帝后)・梅壺(冷泉帝后)・明石姫君(今上帝后)と、藤原氏ならぬ后の連続がいかに異常であり、現実(理想)離れしているかが容易に納得できるであろう。これは明らかに藤原氏に対する批判なのである。」(p160)

 小説もドラマもフィクションであり、設定は現実や作者そのものとは一応無関係のものという前提が置かれている。
 ところが、世界最古の長編小説といわれる源氏物語においても、設定そのものが現実の政治家(藤原氏)に対する批判となっていた。
 そういえば、ドラマの「半沢直樹」も、明らかに政治家と官僚を悪者扱いする一方で、民間銀行を正義の味方として描写していたのが思い出される(民は善?)。
 こんな風に、小説家(あるいはテレビ局)は、フィクションの名を借りて現実を批判し、あるいは自分を正当化するわけである。

 
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新ドクトリン

2022年01月24日 06時30分14秒 | Weblog
老人支配国家 日本の危機 エマニュエル・トッド
 「ロシアは、数年前に、核兵器に関する新ドクトリンを打ち出しました。それは、ロシア国家の存在が軍事的に脅かされる場合には、ロシアを脅かす側、つまり欧州や米国の側が通常兵器を用いていても、それに対抗するために戦術核を使うというものです。これは、西側メディアでは、ロシアの攻撃性や拡張主義の現れと受けとめられましたが、この新ドクトリンによって、欧米との通常兵器の戦争が抑止されていると言えます。」(p61~62)

ロシア軍のウクライナ侵攻懸念受け 米国人退避に向けた動き
 「CNNテレビなど複数のアメリカメディアは、在ウクライナ・アメリカ大使館が国務省に対して、一部の大使館員や大使館員の家族の国外退避を認めるよう要請したと報じました。」 

 新ドクトリンの難点は、「ロシア国家の存在が軍事的に脅かされる場合」に当たるかどうかの判断を行うのはロシア大統領、つまり事実上たった一人の人間であり、しかもその判断が必ずしも合理的であるとは限らないという点にあると思う。
 つまり、本当の脅威ではないのに、それを脅威と錯覚して、あるいは錯覚を装って、核兵器の使用にゴーサインを出す場面が考えられるのである。
 
 

 
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ガイドブックに載らない理由

2022年01月23日 06時30分52秒 | Weblog
大野山ハイキングコース
 「牧歌的な情緒があふれている大野山は家族連れやこどもたちに人気のハイキングコースとなっています。

 絶好の眺望を誇る「富士見トレイル」の一つで、コースもよく整備されているのだが、なぜかJTBパブリッシングやブルーガイドなどのメジャーなガイドブックには載っていない(ちなにに、手元にあるものだと、「首都圏発 絶景トレッキング ベスト24」にだけ載っている、)。
 だが、スタートした駅(谷峨)とゴールの駅(山北)を見れば、なんとなくその理由が分かるような気がした。
 御殿場線のエリアは、どうやら、鉄道事業者から「冷遇」と言ってよい待遇を受けているようなのだ。

JR民営化30年<下> 「分断」の御殿場線
 「山北町の東山北駅には数年前まで、古いくみ取り式のトイレがあった。県立山北高校の最寄り駅で通学生も多いことから、町は水洗式に改善するようJR東海に求めたという。
 同社の“回答”は、トイレ自体を撤去することだった。1時間に1、2本の路線で列車待ちの間にトイレがなくては不便だからと、町は建設費を全額負担して駅近くに公衆トイレを新設せざるを得なかった。


 キオスクがないというのは分からぬでもないが、ICカードが使えない(但し、この記事の後2019年にTOICAを導入)、トイレ撤去などというのは、ちょっと考えられない。
 他方において、「政治駅」問題もあるのだから、何だかやりきれない。
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自衛策としての録音・録画

2022年01月22日 06時30分14秒 | Weblog
「お前やってることは法律に引っかかってんだよ!」 コインハイブ事件、神奈川県警がすごむ取り調べ音声を入手
 「3月上旬には神奈川県警へ出向いての取り調べを受けたモロさん。HTMLの「head」と「header」を混同するレベルの知識を持ったサイバー課の捜査員に困惑しつつも素直に調べに応じていたといいますが、突然私服の捜査員と思われる男性が取調室に乱入してきて“どう喝”を受けたとのこと。ねとらぼではこの取り調べの録音データを公開するとともに、該当部分について書き起こします。

 任意の事情聴取だからこそこうした録音データが世に出たのだと思うが、捜索差押の場合だとそれも難しい。
 例えば、捜査官が暴言を吐いたところをスマホやICレコーダーで録音したとしても、そのスマホやICレコーダーを捜査官が押収してしまうおそれがあるからである。
 こういうことを言うのは、捜索差押の現場で犯罪が行われているのではないかという疑いを抱く事案を経験したことがあるためである。
 ある売春防止法違反(結果的には不起訴)の事件で、逮捕に伴う捜索差押が行われた。
 現場にいた依頼者の妻が片言の日本語で言うには、「乗り込んできた捜査官たちが、ドサクサにまぎれて現金を持って行った」ということであった。
 犯罪収益という解釈で押収したのかもしれないが、その後現金が還付されたという報告を聞かなかったので、不審に思ったのである。
 こうした行為に対処するには、やはり録画しかないと思う。
 となると、ガサ入れが来たときには、逮捕されるおそれのない人物が対応し、小型カメラで一部始終を撮影するなどの手段が考えられる。
 もっとも、これはなかなか難しそう。
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