- ベートーヴェン:ピアノ協奏曲 第2番
- ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調(コールス校訂版)
- [アンコール曲]
- <ソリストアンコール>
- ハイドン:ピアノソナタ第53番より 第3楽章
但し、ぺトレンコは、同じバイエルンでも「バイエルン国立歌劇場」の音楽監督だった。
さて、本日のコンサート:前半はベートーヴェンのピアノ協奏曲2番で、ソリストは2015年ショパン・コンクールの覇者:チョ・ソンジン。
私は初見だが、楽しそうに・ソツなく弾くピアニストという印象を受けた。
モーツァルト的な躍動感を前面に出した曲で、ベートーヴェンの若さがあらわれている。
ソリスト・アンコール曲はハイドンのソナタ53番3楽章で、このピアニストはハイドンがお気に入りのようだ。
後半はブルックナーの9番で、「愛する神へ」捧げられた曲である。
私はブルックナーがやや苦手で、曲によっては「騒々しい」と感じることがあるが、この9番は終始気持ちよく聴くことが出来た。
1楽章で感心したのは、トゥッティの時に本当に一体的な音が出るところである。
オケ全体がまるで「全身を震わせて音を奏でる一匹のスズムシ」に見えたのである。
これはやはり指揮者の力が大きいのではないだろうか?
指揮のスタイルは、「飛び跳ね奏法」に属していると見たが、特徴的なのは「暗譜」と奏者との「アイコンタクト」である。
目の前に譜面台はなく、当然目線は常に奏者の方に向いている。
第一ヴァイオリンの奏者を殆ど挑みかかるように睨みつける場面が多々あり、それ以外の奏者にも、タクトだけでなく目で合図している。
まだ69歳で、高齢でも活躍する人が多い指揮者としてはまだ中堅といったところか。
とにかく、ラトルの若々しさが目立った一夜であった。