裁判所速記官制度に関する意見書(栃木県弁護士会)
「録音反訳外部委託方式には、速記録方式に比較して幾多の弱点があると言わざるを得ない。
まず、反訳の技術的正確性が将来にわたって担保されるかどうか未知数である。発言者の方言や発言の特徴などへの対応性について速記録に劣ると思われる。身振りを伴う証言等について適切に再現できるかどうか疑問である。指示代名詞や書証・図面を示したやりとりでは、尋問技術の巧拙に調書の出来が左右されるおそれがある。適切な調書を作成するために書証等をコピーして調書作成側に渡す必要性も考えられるが、それら記録の管理が適切になされるかどうか、の問題もある。調書の再現性をめぐって、外部業者と書記官の間で調整をする必要があり、書記官の事務負担が多大となるおそれが強い。録音反訳業者に秘密保持を期待できるかどうかの問題がある。調書作成のスピードは明らかに速記録の方が速い。」
尋問調書の中には、明らかな誤字(特に固有名詞)や意味不明の言い回しなどが含まれており、首をかしげるものもある。こうしたものは、おそらく民間の録音反訳業者が行ったものなのだろう。
これに対して、速記録方式の場合、こうした欠陥はまず見当たらない。速記者自身が尋問に立ち会っている裁判所の職員だからである。
もっとも、栃木県弁護士愛の意見を採用するのは難しい。人員を増やすことはまず無理だろう。
「録音反訳外部委託方式には、速記録方式に比較して幾多の弱点があると言わざるを得ない。
まず、反訳の技術的正確性が将来にわたって担保されるかどうか未知数である。発言者の方言や発言の特徴などへの対応性について速記録に劣ると思われる。身振りを伴う証言等について適切に再現できるかどうか疑問である。指示代名詞や書証・図面を示したやりとりでは、尋問技術の巧拙に調書の出来が左右されるおそれがある。適切な調書を作成するために書証等をコピーして調書作成側に渡す必要性も考えられるが、それら記録の管理が適切になされるかどうか、の問題もある。調書の再現性をめぐって、外部業者と書記官の間で調整をする必要があり、書記官の事務負担が多大となるおそれが強い。録音反訳業者に秘密保持を期待できるかどうかの問題がある。調書作成のスピードは明らかに速記録の方が速い。」
尋問調書の中には、明らかな誤字(特に固有名詞)や意味不明の言い回しなどが含まれており、首をかしげるものもある。こうしたものは、おそらく民間の録音反訳業者が行ったものなのだろう。
これに対して、速記録方式の場合、こうした欠陥はまず見当たらない。速記者自身が尋問に立ち会っている裁判所の職員だからである。
もっとも、栃木県弁護士愛の意見を採用するのは難しい。人員を増やすことはまず無理だろう。