夜のNHKのテレビニュースで浅田真央選手のインタビューをやっているのを偶然目にしましたが、アナウンサーのありきたりな質問に感情を殺して答える彼女を見ていると、どうして19歳の少女にこれほどの試練を与えないといけないのだろうと疑問を感じてしまいました。
SPでの完璧な演技でどうみてもそれだけの差があるとは思えない5点の差を付けられた時点でフリーで彼女が完璧な演技をして尚且つ相手がミスをしない限り逆転はないと彼女も分かっていたはずです。
フリーで相手選手が目の前でミス無く完璧な演技を行い尚且つ想像も出来ないような点数を取った後に演技をしなければならないという絶望的な場面で重圧に耐えながらトリプルアクセルという3回点半の技を決めながら最期には力尽きたようにジャンプのミスで当然の如く勝つことはできませんでした。
多分、あの演技を完璧に行っても彼女が勝つ可能性はなかったはずです。それ程に相手側は用意周到な仕掛けをしていたことは間違いないと思ったのは私だけでしょうか。尤も、その仕掛けを生かしきる演技を成し遂げたその精神力はこれまた素晴らしいと言わざるを得ないでしょう。
しかし、納得がいかないのは、男子のフィギュアで前回のチャンピオンで今回2位になったプルシェンコ選手が4回転を成功させながら、その技に挑戦しなかった選手に負けたことに納得がいかないとコメントしていたのと同じです。
そんな不利な状況の中で自分の出来る限りの力を出して敗れたくやしさは想像もできません。60数年生きてきてあんなプレッシャーのかかる場面に一度も遭遇した事の無い私だったらきっとあの場面では発狂しているでしょう。
それにもかかわらずあれだけの演技をして敗れた選手にこれでもかと言うように今の心境を語れと言うテレビ局の無神経さに腹が立って仕方ありませんでした。
それでも、そんな馬鹿な質問に感情を押し殺して答える浅田真央選手の強さに、これほどの重圧にも耐えられるのはやはり選ばれた人間だからなのだろうと感心させられました。それだけの強さを持ってないとTOPにはなれないのでしょうね。
人間の出来が違うようです!