第3819回で「あるべきところにあるべき人がいない」との言葉を取り上げましたが、今の日本のリーダーはそのあるべき人とは全く正反対の人であると言えるのじゃないでしょうか。それでは、リーダーとはどうあるべき人なのかを書いた素晴らしい人がいたそうです。
毎日jpより
近聞遠見:「知らなかった」の深刻=岩見隆夫
知る人ぞ知る、なのだろうが、最近、鈴木正三(しょうさん)(1579~1655)の事績を初めて聞く機会があった。先賢の知識が乏しかったのを恥じ入るばかりだ。
鈴木は江戸前期の禅僧だが、もともとは三河松平藩の旗本、42歳で出家し武士道を加味した仏教を説いた。しかし、それにとどまらない。加藤周一は、<庶民大衆に語りかけた知識人の原型>と評価し、山本七平が、<世界に通用する思想家>とたたえた人物だ。
多くの著作の一つで、鈴木は、<指導者が備えるべき能力>として、次の七つをあげている。
(1)先見の明がある人
(2)時代の流れが的確に読める人
(3)人の心をつかむことができる人
(4)気づかいができて人徳のある人
(5)自己の属している共同体、組織全体について構想を持っている人
(6)大所高所から全体が見渡せる力量を持っている人
(7)上に立つにふさわしい言葉遣いや態度が保てる人
鎖国の世にあって、刮目(かつもく)に値する慧眼(けいがん)である。指導者の条件について、これまで数限りなく指摘されてきたが、鈴木原則ほど行き届いたのを知らない。
鈴木が77歳で他界してから約350年が過ぎた。いまの最高指導者、鳩山由紀夫首相のリーダーシップは鈴木原則に照らして、どうだろうか。
ほとんどの項目は判定するデータがまだ足りない。もっとも気がかりなのは最後の(7)、ついで(3)だ。この2項は深くつながっている。…以下略
参考:
Japan on the Globe 国際派日本人養成講座 → 人物探訪: 禅僧・鈴木正三~近代資本主義の源泉
鳩山さんとは似ても似つかない人だと言えそうです。今までの総理の中で最もふさわしくなさそうと思えるのはわたしだけでしょうか。だからと言って、今の日本にこれに当てはまるような人がいるのかも疑問です。もちろん、今の政治家の中にもそんな人が居るとは考えられません。
もし、こんな人が居れば、政治の世界には飛び込んでこないのかもしれません。しかしながら、本当にこうした人が居れば、周りの人たちが自然と担ぎ出すのでしょうか。そうとも思えないような気がするのが悲しいところです。
昔の英雄論では、上記の条件を全て備えるのは難しいので、人格で周りにそれぞれの専門的な能力を持った人を集めて、その能力を発揮させて事を成すのが最上とされたのじゃないでしょうか。
さしずめ、その代表的な人が三国志の劉備であり関羽、張飛、諸葛亮孔明など自分には無い能力を持つ人たちの協力で蜀の国を立ち上げたのである。
こんな夢のようなことを考えていても仕方ないのかもしれませんが、余りにも人に恵まれない今の日本はやはり滅びる時が来ているのでしょうか。
そうでないことを願います!