私がサラリーマン失格だったのは今から考えれば、如何に仕事を能率的にこなすかを考え、少しでも早く仕事を終わらせて就業時間が終われば一目散に帰ろうとしていたからかもしれません。自分の仕事が終われば、手持ち無沙汰でも何かをしているような格好をして時間を潰すというのが大の苦手でしたから机の前でボーっとしているなんてこともしょっちゅうだったような気がします。その辺りのふてぶてしい態度が上司から見れば鼻について仕方なかったのでしょう。
そして、その性癖は嘱託として働く今も殆ど変わっていません。ですから、民間から、こうした官庁関係の仕事について驚いたのが民間以上に外聞というか見かけを繕う事です。兎に角、仕事も無いのに仕事があるようにすることに必死なのです。そのお陰で、先輩から受け継がれた仕事の大半は無理矢理作ったような仕事ばかりです。
それをやらなくても別段仕事に差し支える事は無いのですが、周りから見れば良くし事をしていると評価されるのです。
正直言って、私の尤も嫌う仕事のやり方ですが、かといって今更新しい職を捜す気力も無いので、なんとか辛抱しています。
何で、こんな仕事のやり方をするのか不思議に思っていたのですが、何時もの武田邦彦が納得させてくれる話を書いてくれていました。
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役人も人の子なので、失業は困るし、仕事が無くなると困ります。
そこで、次から次へと仕事を作っていきます。この現象を「戦争を終わった将校さん現象」と言います。隣の国が攻めてくるから軍隊に入る。これは正しいのですが、戦争が終わっても、軍隊を辞めたくないので、次にいらない戦争を作り出すということです。
これは人間の性(さが)ですから、苦情をいってもやめることはありません。
共産主義が失敗したのは、共産主義というシステムが悪いわけではなく、「人間は聖人ばかりだ」と仮定したところに問題があります。
そこで、もっとも良い方法は「戦争が無くなったら、軍事費を出さない」ということで、ケリがつきます。つまり「兵糧攻め」をすれば、一気に解決します。
役人はとても優秀で、多くは東大を出ていますから、その人達が「無理矢理、仕事を作る」というのをやめて、「仕事を効率的にやる」ということに専念すれば素晴らしい国になり、税金はまもなく半分になるでしょう。
冷やかしではなく、役人はとても優れているのです。
でも、今はその能力を「いかにして無駄な仕事を作り、蓄財したり、首にならずに住むか」ということだけに力を注いでいますから、それを一気に変えれば良いわけです。…以下略
そうだったのか、これは目から鱗です。仕事がなくなったら首になるから仕事を作るんですね。性に合わないですが、私これをやってればもう少し出世したかもしれません。これと逆のことばかりやってたのですから、会社に受け入れられなかったんでしょうね。今更、反省しても遅かりしですが、只一つ、良かったのはストレスが溜まらなかったことかもしれません。コレはコレで由としましょう。
それにしても、こんな非効率な仕事をしていたのでは無駄はなくならないですね。やはり、武田先生の言われるようにシステムを変えるしかないようです。
第3820回の「外から財を見る」につながりますね。やはり、日本の予算も頭から何パーセントカットと決めてしまえば良いのです。それに向かって、必死で努力すれば良いのです。無駄な仕事はつくるな。
それしかない!