第3794回などで取り上げた反ウォール街の動きは期待したようには動いていないようです。世界のリーダー達に本気になって取り組んで欲しいものですが相手の方が上手なのかもしれません。
そんなマネーゲーム至上主義の奴らに何を言っても効き目は無いのかもしれませんが、そんな人たちに読ませたいものがありました。
…略
6.「正直から出た倹約」
ここで最初の問答に戻って、「商人の道を知れば、私欲の心を離れ」の「私欲」とは何か、考えてみよう。梅岩は私欲に関して、こう述べている。
私欲ほど世間を害するものはない。このことを知らずに行う倹約は、ただの物惜しみのための倹約であって、世間に害を与えることが多い。しかし、私が申し上げているのは正直から出た倹約なので、人を助ける倹約である。
たとえば、少しでもお客様に安くて良いものを提供しようと、経費のムダを省いて節約するのは、「正直から出た倹約」である。こういう倹約は、社会全体のプラスとなり、世のため人のためになる。
それに対して、自分さえ儲ければよいと、仕入れ先への値切りばかりやっているのは、「私欲から出た吝嗇(ケチ)」である。これは自分が得した分だけ、仕入れ先に損をさせるので、社会全体としては何のプラスにもならない。それどころか、損をさせられた仕入れ先は、他の顧客から損を取り戻そうと、また私欲に走った商売をするかもしれない。私欲が私欲を呼び、社会全体に恨みや妬みがはびこることになる。
倹約を申し上げるのは、ほかでもない。生来人間が持っている正直の心に返したいからである。・・・このような正直が行われるならば、世間の人たち全体が仲良くなり、世界中の人々がみんな兄弟のようになるだろう。私の願うところは、世の人々がこのような社会を創り上げることである。…以下略
11日の鈴木正三さんの教えを引き継ぐ考え方だそうです。こうしてみると昔の日本人は凄いですね。
それにしても今の日本にもこんな精神を持った商売人は殆ど居そうにもないですが、マネーゲームで世界を混乱させている金融界の人達にはこうした考えは思いもつかないのでしょうね。
日本の経営者たちには是非この精神を取り戻してもらいその精神を世界に広げて、マネーゲームなんてバカなことを地球上から無くしたいものです。あぶく銭を手にした人達はそれを失うことに恐怖心があるのでしょうか。そのために際限の無い欲の世界に迷い込んでしまうのでしょう。
たくさん儲けて、必要以上の贅沢をして本当に幸せなのでしょうか。食うに困るのは辛いですが、ほんのちょっとした余裕があればそれで良いなんてのは通用しないのでしょうか。
精神的には楽ですよ!