学生時代はいわゆるノンポリで政治なんかには何の興味も無く学園封鎖をこれ幸いと学校に行かずに遊んでいました。
ですから、卒業した年に三島由紀夫が自衛隊で割腹自殺したのも殆ど何の感慨も覚えませんでした。それまでも、それ以後も彼の小説一つ読んだこともありませんでした。
ところが、宮崎正弘の国際ニュース・早読みであのときの檄文が紹介されていたので、何を言いたかったんだろうと興味が沸き読んでみました。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成22年(2010年)3月16日(火曜日)通巻2909号 より
(宮崎正弘のコメント)檄文を下記に再掲します。
「檄」 楯の会隊長 三島由紀夫
…略
われわれは戦後の日本が経済的繁栄にうつつを抜かし、国の大本を忘れ、国民精神を失ひ、本を正さずにして末に走り、その場しのぎと偽善に陥り、自ら魂の空白状態へ落ち込んでゆくのを見た。
政治は矛盾の糊塗、自己の保身、権力慾、偽善にのみ捧げられ、国家百年の大計は外国に委ね、敗戦の汚辱は払拭されずにただごまかされ、日本人自ら日本の歴史と伝統を涜してゆくのを、歯噛みをしながら見てゐなければならなかつた。…以下略
彼は、自衛隊に最後の砦としての期待を持っていたが、どうやら期待に沿わなかったので抗議のための行動を起こしたようです。この後は自衛隊に対する思いがつづいています。
しかし、自衛隊も既に政治と同じで頼むに足りなかったと言うことのようです。
それにしても、あの当時三島由紀夫が指摘していることは全て現在に当てはまります。
あの年に就職して、今や定年退職したこの年になってやっとその堕落に気がついた私は何とバカだったのでしょうか。この間、何の興味も示さなかった付けを払わせられていると言うことなのかも知れません。
それにしても、こうした人には死を選ばずに生きて日本の国を導いて欲しかったと思うのは凡人の故でしょうか。本人はきっと、何をやってもこのバカな国民を導くことはできないと匙を投げたのかもしれません。
そして、それが当たっていたのかも!