第1151話などで、人間の都合で連れてこられて繁殖が問題になっているブラックバスやブルーギルなどの外来種について書きましたが、そんな例はどうやら沢山あるようです。
四国新聞社より 2010/03/12
1950年代、英国領だったボルネオ島の住民は、マラリアに悩まされていた。そこで世界保健機関は殺虫剤を大量散布し、マラリアの媒介となる蚊を退治した。
蚊はいなくなった。しかし他の虫まで死んだ。ある種のハチがいなくなって屋根の茅(かや)を食べるイモムシが大量発生し、雨漏りが相次いだ。さらにはヤモリが死んだ虫を食べ、そのヤモリを猫が食べた。猫はバタバタと死に、ネズミが大量発生してしまった。
「入門!システム思考」(講談社)で紹介されていた話だ。ネズミの大量発生に対しては、猫を持ち込んで対処した。まるで落語のような話だが、つい目先のことにとらわれがちな人間としては、笑うに笑えない。
山野草であるイタドリの駆除のため、それを枯らす虫を英国が日本から輸入し放つことになった。イタドリはもともと英国にはなかったが、観賞用として日本から持ち込まれ、今や生態系を破壊する勢いだという。
その虫が別の生態系に影響しないか、存分に研究した上での判断ではあるらしい。しかし人間が考える以上に自然界は複雑だ。人間の都合で行ったことに対し、自然界から報復された例は数え切れないほどある。
佐渡島の保護センターで、放鳥に向け訓練中だったトキ9羽を襲ったのは、テンだった。テンはもともと島にはおらず、害獣である野ウサギを駆除するため人間が持ち込んでいた。それがトキ絶滅の一因となり、今またトキを保護している人間に仇(あだ)をなす。笑えない。(G)
船や飛行機などの移動機関を造ったさかしらな人間が浅はかな考えで持ち込んだものにしっぺ返しをくらっていると言えば良いのでしょうか。それとも、世界中が一つになるための試練と捕らえるべきなのでしょうか。
この外来種の問題を考えるとき、どうしても今問題になっている外国人参政権が思い浮かんでしまいます。
大きく考えれば、世界の人種が入り混じって一つの世界になることは必然であり、歓迎すべきことなのかもしれませんが、まだ人類はそれほど高尚な考えを持っているようには思えません。日本という国を自分たちのものにしてやろうと思う近隣諸国がある限り、安易に外来種を入れることは無茶と言うものです。
もっと、人類が利口になってから考えれば良いのじゃないでしょうか。ましてや、選挙のための政策なんてもっての外でしょう。
恐ろしいことです!