明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



古石場文化センターのシネマフェスティバル期間中に映画を観たいと思っているうち、ようやく『たけくらべ』五所平之助監督を観る。音楽が芥川也寸志だが、なんだかよく知っている音楽である。美空ひばりが美登利役であり、イメージがどうかと思ったが、なかなか達者。松本幸四郎が染五郎でおそらく十三、四歳か、嫌味なガキ役で出演。途中でちょっと寝てしまったが、花魁役の岸恵子が綺麗だし、山田五十鈴も好演。後半は目が覚め最後まで。終演後、職員のNさんに「この音楽、有名な物に、使いまわしされてると思うんですけど?」「確かにあまり合ってない気がする」 今日中に作っておきたいものがあるが、景気付けにT屋に飲みに行く。忘れないうちにさっきの音楽を口ずさむ「たとえばNHKの大河ドラマの忠臣蔵の討ち入りみたいな曲なんだけど」どうかんがえても『たけくらべ』という音楽ではない。しかし誰も知らない。勘定を払おうとしたら樋口一葉の5千円札。 帰宅後ネットで検索したら、まさにNHK大河ドラマ昭和39年『赤穂浪士』と同じ音楽であった。いわゆる長谷川一夫の「おのおの方」である。ラストにも流れたが、初潮を迎えた美空ひばりが勇壮にも、廓の世界に討ち入り、という風にしか聞こえなかった。

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