明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



TVで『ブラックレイン』を観る。あまり感心できない映画である。残念だが、松田優作は何度見ても『ドラキュラ』のクリストファー・リーのようである。 その他大勢のヤクザの中に、懐かしのプロレスラー、プロフェッサー・タナカを発見。サングラスをかけていても、日本人には見えない。ニューヨークはMSGなどで活躍した、自称日系レスラーである。戦後のアメリカマット界では、悪役として商売するには、なんといってもドイツ系や日系人である。日系レスラーといえば、見よう見まねで相撲の四股を踏んだり、白人女性を従え、かしずかせて下駄を履かせたりして、観客の憎悪をかきたて、最後は白人レスラーにやられるという役回りで、同じころ日本では、まるで逆のことが演じられていたわけである。タナカは大阪工業大学出身で博士号を持っているという触れ込みだったが、TVで、“人間発電所”ブルーノ・サンマルチノに「俺は日本人をよく知っているが、お前は日本人じゃない」と乱闘になった。実際はベトナム人である。大事なことは簡単に忘れるのに、小学生の時に知った、こんなことは忘れない私である。あの撮影現場にいてサインを貰うとしたら、若山富三郎の次にプロフェッサー・タナカであろう。 というわけで、人間発電所とかプロフェッサー・タナカとか、ただ書きたかっただけなのであった。

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