明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



夜中だったか明け方だったか、点けっぱなしのテレビにボンヤリ目をやると、広い海辺で日本の軍人が、きちっとした姿勢でアメリカの将校に何かを渡している写真が映った。渡しているものはおそらく軍刀であろう。アナウンサーが解説していたのかもしれないが、今上映中の映画『太平洋の奇跡』の実際の写真だろうと思った。ほんの数秒で終わったのか、寝てしまったのかさだかでないくらいボーッとしている状態であった。この映画は観るつもりでいたので、木場のヨーカドーで買い物をしたついでに観た。 最近、映画『明日のジョー』で体脂肪率何パーセントなどと盛んにやっているせいか、状況を考えると兵隊がみんなピチピチしているように見える。こういう映画には、目を背けたくなるようなシーンが必要だと思うのだが出てこない。アメリカ兵は、昔は中途半端な外人俳優が使われたものだが、無名のようだがちゃんとした演技であった。しかし、寝ぼけ眼で見た写真1カットの方が印象に残っているのは何故か。無いものは撮れない、とここのところボヤいていたが、在る物を撮った写真に打たれる。というオチがついた。しかし、こういう映画は作られ続けるべきであろう。 
帰宅後、中野正剛の書が届く。東条英樹と対立し、最後は憲兵が隣りで見張っている部屋で割腹。頚動脈を切断し自決した。『国は経済によりて滅びず,敗戦によりてすら滅びず。指導者が自信を喪失し,国民が帰趨(きすう)に迷ふことによりて滅びるのである。』

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