明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



三島由紀夫に対してある人が書いている『彼はいつも顎にぐっと力をいれていた。まるで、それ以外の生き方を知らないかのように。』なるほど、と思わせる文章である。しかし果たしてそうであろうか。 世の中には作家の著作や人となりを研究している人は沢山いるわけだが、こと作家の姿形、特に顔に関して、私ほど真剣に見つめてきた人間はいないだろう。三島は確かに刀を構えたり筋肉を誇示したり、力を入れて写真に撮られることが多かったのは確かである。しかしいつも顎に力を入れて、というのはどうだろうか。 三島は自分でも『私の顔は曲がっており、正面から見ると、便所の古草履みたいに、長刀型になっている。』といっているが、正確にいうと顎が曲がっている。近いところでいえば、つまみ枝豆やともさかりえと同タイプである。三島は噛み合わせがずれているかのようだが、それが自動的にギリリと歯軋りし、ぐっと力をいれているように見えるのではないか、と思うのである。 一日何もなかったからといって、ただ書けばいいというものではないだろう。ということになってしまった本日のブログであった。

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