明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



オイルプリントで個展を続けていた頃、『乱歩夜の夢こそまこと』の制作が決まりオイルプリントを中断した。そして4年続いた『中央公論Adagio』その後『三島由紀夫へのオマージュ展』つづいて『貝の穴に河童の居る事』。である。中井英夫のオマージュ展よりオイルプリントから遠ざかり十年。乱歩本が河童と同じ編集者だったこともあり、河童も終盤に差し掛かった頃には、オイルプリントの再開を考えていた。 この十年の間に写真を取り巻く状況は変わり、デジタルの反作用で古典技法への関心も高まっていた。 それにしても、よくオイルプリントを選んだものだ、と自分でも不思議になる。いくら考えても数ある技法の中で、私に向いているのはこれしかない。そもそも暗室作業が向いていないのだから話にならない。オイルプリントには暗室はいらないのである。 今回のグループ展は私にとって有意義なものであった。展示の予定も写真家になるつもりもないのに、人形作りを中断し、ただやりたいだけで取り組んだ日々を思い出した。こんなことをやっている場合ではない、とはらはらしながらやっていた。改めて、どうしてもやらずにいられないことはやっておくべきだと、思うのであった。それには必ず理由がある。

オイルプリント制作法

インキング映像↓

http://youtu.be/kZozcEqgKsE 

過去の雑記

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