外付けハードデイスクの中をチェックしていたら、『三島由紀夫へのオマージュ 男の死』で制作した『神風連の乱』の完成一歩手前のデータが出て来た。三島最晩年、明治政府に対する士族の反乱『神風連の乱』の取材に九州まででかけている。三島が喜びそうな死に方の一つに、乱の際に割腹する武士、というのを考えた。 三島は自ら主演した『憂国』において割腹時、腹から溢れ出すハラワタに豚の内蔵を使用した。匂い消しに香水を振り撒いたというから、想像し難い臭いになったであろう。そしてもっと血を、と血の量を増やした。そういう人である。私もそれにならい撮影には豚の内蔵を使用した。もちろんすぐ調理すれば食べられる処理済みのモツである。この完成直前のデータには、色鮮やかに写っている。しかしギャラリーに展示されることを考慮し、暗く落として内蔵がよく判らないようにした。三島本人にウケたい、という妄想のもと制作するという趣旨とは反してしまっている。初志通りの作品に作りなおした。 先日女性の写真家に、私は“美しくしてしまうので、もっとえぐく、正視するのにドキドキしてしまうようなのができたら面白い”といわれたのを思い出した。あの作品の元ネタはピカソも絶賛した、いわずとしれた葛飾北斎『蛸と海女』である。ちょっと面白がってみたので、元々あんなことをする為に撮影したわけではなかった。 私は朝ドラ『あまちゃん』放映の1年前に本物の海女着を入手し、三島の『潮騒あるいは真夏の死』を制作している。久しぶりに引っ張り出して洗濯したのであった。明日はどうも晴れるらしい。
オイルプリント制作法
インキング映像↓
http://youtu.be/kZozcEqgKsE
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