先日の撮影後、雑事が続き、ようやくデータのチェック。河童を怪しく撮ろうと入手した西ドイツ製のレンズと、今時のズームレンズを混ぜこぜに使った。マニュアルで撮った分に少々手ぶれ。 谷崎潤一郎展は4月だが、谷崎像の引き渡しは3月に入ってすぐなので、気になったところを修正。特定の作家に夢中になった、といえば中学生になっての谷崎と乱歩である。二人は2日違いで亡くなった、共に没後50年の作家である。作家シリーズ最初の一作は澁澤龍彦であったが、これは陶芸家を目指すにあたり、好きなことばかりに熱中する性格をなんとかしようと、まずはロクロもない岐阜の製陶工場に勤めていた時に、女の子から万引きしたという澁澤龍彦集成の1冊『エロテイシズム』を読めと渡された。ところが目から鱗で、せっかくの殊勝な志も元の木阿弥。陶芸も流れでその気になっていただけだと気がついてしまった。そんないきさつから第一作の作家に選んだ。その次に作ったのが谷崎と乱歩である。谷崎は特定の作品について制作したことがない。谷崎の頭部に、色んな角度の光を当てて表情の変化を見ていると、この文豪然とした表情のまま、あんなことさせたりこんなことさせたり、と浮かんで来る。何しろ本人がそう書いているのであるからしかたがない。そんなことを考えていると、作りたい作家もそろそろ少なくなって来たな、と改めて思うのであった。
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