明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ピクトリアリズム華やかなりし大正時代。真夏の千葉県、房総地方では、このような風景が見られたことであろう。海女の娘達がタライの獲物をチェックしながら賑やかに。このカットは最初からセピアにすることを決めていた。 大正の房総といえば、早世の天才画家で詩人の村山槐多を思い出す。房総は昔から肺病の療養地として知られるが、肺を病んだ槐多は晩年、健康を取り戻そうと胸に太陽光を一杯に受けながら、一人房総の海岸を旅する。しかし調子が良いと思ったのもつかの間。喀血し、自棄になって酒を飲み、友人に見守られながら亡くなる。没後に出版された『槐多の歌へる』(アルス)が有名だが、出版社のアルスは北原白秋の弟北原鐵雄が作った出版社で、大正時代のカメラ雑誌『月刊CAMERA』『芸術写真研究』その他、様々な写真の技法書を出している。アルスから独立した従兄弟が玄光社を興す。90年代の始め、神田の古書街に通ってはこのあたりの文献を買い集め、オイルプリント習得のため参考にしたものである。昔の人間にできて私に出来ない訳がない。今でこそ古典技法も賑わいを見せているが、当時話し相手は皆無であった。『待てば海路の日和あり』by広沢虎造。ということであろうか。

オイルプリント制作法

インキング映像

ボブ・マーリーの評伝と未発表写真を多数収録した『ボブ・マーリー よみがえるレゲエ・レジェンド』の発売記念展。 

3体出品中

最終日 215日() 

ビリケンギャラリー

107-0062 東京都港区南青山5-17-6-101

TEL.03-3400-2214  FAX.03-3400-2478

http://www.billiken-shokai.co.jp

OPEN  1219時 月曜休

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