明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



昨年のグループ展の搬入の直前、絵の具が乾いておらず、額装時に駄目にしてしまった江戸川乱歩の『盲獣』。こういう場合、あの時失敗して良かった、というくらいの作品にならないと悔しくて耐えられない。なんとかリベンジなる。『盲獣』を出品するとなると、当初の人形を一切登場させず、という予定が崩れるわけだが、我慢できる訳がない、とも考えていたので、やっぱりという感じである。 人形作品を加えるといっても何でもいい訳ではないので、せめてヌードが登場する作品に限ろう。となると江戸川乱歩、谷崎潤一郎、村山槐多、中井英夫を各1点づつというところか。

どこかの王様に、画用紙やクレヨン、粘土などが用意された石の塔に幽閉され、ここで好きなことだけやっておれ、という境遇を幼い私は夢見ていた。だがしかし、5時過ぎに石の塔をこっそり抜け出し、塔での成果である、例えば谷崎の頭部をポケットから出して常連に見せたりしながら、キンミヤ焼酎で馬鹿話に興じる。この辺りはまったく想定外であった。本日はロサンゼルスで幼稚園を経営する友人が、姪二人を連れてK本へ。手前のお姉さんは美大に通いながら『革命倶楽部』という活動を。170センチの高校生の妹は、8×10インチのカメラに古典レンズを取っ替え引っ替えしていたころ撮影したことがある。 生まれて間もない赤ん坊であったが。 こうしてみると塵芥で煙ったような常連席のスス払いになったようである。

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