明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



とりあえず女将の真寿美さんのご機嫌うかがいのついでに、軽く河本を撮らせていただいている。どんな画角の、どんなレンズが合うのか小手調べ、というところである。その間も、お休みの貼り紙があっても、中から声がすれば覗く人がいる。期待して来たのだろうから可哀想ではあるが、対応するのが常連とはいえ、たかが客なのであるから、馴染みのない客は断ることになる。そこへ猫のもっこが餌食べてる。の声。厨房の奥をみると、高いところで食べている。生まれたころ兄弟3匹で丸まっていたものだか、今ではどうどうたる老猫である。こんな姿はなかなか撮れない。逃げないので6カット。いずれ、客が何も知らずに座っているあの席の床下の防空壕を撮らせてもらおう。私は一度だけ見せてもらった。客の与太話を黙って聞き続けたポッカリ空いた穴である。さっきのもっこを見よう、と思ったらノーカードの表示。やってしまった。二度目である。一度目はフイルムであったが、やはり河本。今古亭志ん生演ずる『火焔太鼓』の甚兵衛さんが、殿様に太鼓をとどける途中で呑んでしまっている。ガラケーで書いているのでリンクのしかたが判らず。トップの『中央公論アダージョ』内に。 あの時は撮影が終わって気がついた。そういえば、随分撮った気はしていた。こうなれば悔しいので、あの時撮れなくても良かった、というもっこを撮らなければならない。今日は河本の太陽、真寿美さんはお隠れになったままであった。



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