女将さんを撮っていると、表情が豊かなことに改めて驚く。2週間前はぼんやりしていて、なかなかレンズを向けられなかったのだが。そう思うと、周囲を客に囲まれ、それぞれに様々な表情を振りまき対応していたからこその女将さんだったのだな、と気付いた。混んでいて他人同士が肩寄せあっている状態でも、一人一人に別の表情で接するのは中々できることではないだろう。客はその間、女将さんを独占している気分なのではないか。何しろ咄家を撮影したかのような表情の変わり方である。店内の撮影では客の表情を撮らず、空気感が出れば、と考えていたが、それに対応するのが女将さんの表情だと考えてはいたが、ここまでの表情を見せられると、女将さんのキャラクターが重要になってくる。主役不在の間に舞台を撮影していたのだから、主役が帰ってくれば、やはり主役だ。となるのは当然のことであろう。リハビリ期間は当然必要だが、復帰は間違いないと、ファインダーを覗きながら。
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