数少ない写真資料の中のプライベート写真。どこかの公園らしい。黒足袋に下駄。上着のポケットに両手を突っ込み、実に昭和な格好である。さらにくわえ煙草でムスッとし、実につまらなそうである。残された写真も少ないようであるし、単純に写真嫌い、と決め付けてしまったが。 撮影者は奥さんだろうか。そう思うと本人としてはポーズを取っているつもりなのではないか。あえてレンズを見ないようにしているし。木に寄りかかっている写真は、まさにそんな感じである。あきらかにポケットから出した、左手のやり場に困っている。ただしゃがんだ写真を見ると、お父さんあそこで撮りましょう、ここがいいわ、と(撮影者が奥さんだとして)奥さんの思い付きに従っているお父さんにも見えてくる。だったらどうだ、という話ではあるが、作るに際し、少しでも手がかりにならないか、と目をこらしているわけで、ポケットの中の小銭が多少増えたような気にでもなればそれで好いわけである。今月中に頭部が完成すれば上等であろう。
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