明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



それにしても、お婆さんを被写体として撮ることになろうとは、まったく想像していなかった。 たまたま休業ということになり、客の邪魔をせずに撮影ができる、と近所のサンダル履きで行ける軍艦島でも撮っておこうぐらいの気持ちであった。 店内で撮っていて、何か寂しいと思ったら、花好きな女将さんが飾る花が活けられていない。私は特に花に興味はないが、潤いに欠けることは判る。それはともかく。そうこうして、店内のディテールを少しづつ撮りためてきた。後はまだ撮っていない防空壕の蓋、常連席の補助板、暖簾を外に出した所。あたりだろうか。女将さんが復帰したなら、グラスに表面張力一杯に注いだアップ、炭酸を二本いっぺんに注ぐところ、チョークでカウンターに逆さ文字で計算するところは是非押さえておかねばならない。もし常連のだれかが出禁になってくれれば、その場面も撮っておきたい。二度と復帰はできないけれども。そういえば、来年定年で郷に帰る人がいるから、ひとつどうだろうか?間違いなく諦めはつくだろう。

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