明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



日影丈吉身体の制作に入る。進行が早いつもりでいたが、そうでもない。写真資料が少なければ少ないでかまわないが、長年にわたる面相の変化の中から、想定した年代を、どう解釈して作るかが難しかった。 酒場K本の撮影は、今の段階で撮れる物は撮れている気がする。小休止。あとは煮込みで知られる店であるから、煮込みの鍋の復活が待たれる。それに店の3分の1は電灯が灯ることもなく、どんどん霞んでいっている気がする。電灯が当たり、人が立ったり座ったり振動を与え、焼酎がこぼれたりタバコの煙が煙ったりが必要なのであろう。気になって薄暗いあたりを眺めるのだが、どうしても霞んでいるように見えるのである。 “K本のすべて”を撮るつもりで、主のいない店内から撮影を始めたが、結局女将さんの表情が主役ということになりそうである。データをチェックしていると、まさに花咲か婆さんである。いちどあの薄暗い席に座ってもらえば良いのかもしれない。

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