明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

一日  


ようやく客観的に作品を見られるのは、実際は個展が始まってからである。陰影を削除して、何だって、何処だって配置し放題だ、日本画調ピクトリアリズムだ、とはしゃいでいた段階を経て、今回は室町時代あるいはそれ以前、中国伝来の肖像画の微妙な濃淡による立体表現を意識した。かつて被写体から陰影を削除するのを躊躇したのは立体を作るということは、自ら陰影を作り出すことなのに、それを削除するのか、と。しかしこれでシチュエーションの自由と、被写体の立体感の両立に至った気がする。 今日は20年ぶりくらいの知人が来廊。開口一番「石塚さん絵描きに転向してたんですか?」思えばこのへんな人に連れられ、中古カメラ屋に初めて行き、壁に貼られたライカで撮られたチンパンジーの写真を見て、なんだこれは。間もなくライカIII Fを入手。ところが肝心なのはレンズだと気が付いていなかった。これが結果的にオイルプリントに至る遠因となった。 帰宅後BSを着けたら人形師の親子が金色の大蛇を作っていた。これは怪獣好き小学生に戻る訳にはいかぬ、と止めた龍虎図、あるいは天を駆け巡る龍を作れということだな。と。地の表現は出来たので次は天も良いかもしれない。

Don't Think, Feel! 寒山拾得展
人形作家・写真家 石塚公昭 作家活動40周年記念

10月13日(木)〜11月6日(日)

10月23日(日)ギャラリートーク東雅夫さん



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