中国発の初期肖像画、どういうふうに描かれて来て、日本に伝わって来たのか。日本においても高僧の姿を残して来た。禅宗でも臨済宗が特に熱心である。 輪郭線はともかく、微妙な濃淡による立体感の表現が巧みである。それまで平面的な光を与えることで、光の方向性を消すことにより、状況設定が自由になり、画面に配置放題が面白かったが、冷静になってみると、平面的な光線の中にある濃淡による立体感。これが肝心だ、と思うようになった。最初に試みた三遊亭圓朝と今回の一休和尚、共に横目でこちらを見ているが、違いが現れている。これでようやく私が作った人形をもってやるべき撮影方が決まった。なので、ピクトリアリズム、絵画主義写真の看板を下ろすことにした。微妙なことをしてはいるのだが、にも関わらず、どう制作したのかは、一度も質問されたことはない。 廃れた技法オイルプリントで思い知った。誰もやらないことをやるのは、同時に出自、成分が判らないと、目に明かりが灯らない来廊者がトラウマとなる。今回は誰もやらないが、出自成分が明らかで不思議はない。なによりである。
Don't Think, Feel! 寒山拾得展
人形作家・写真家 石塚公昭 作家活動40周年記念
10月13日(木)〜11月6日(日)
10月23日(日)ギャラリートーク東雅夫さん
ふげん社イベントページ