銀座のリコーイメージングでの個展の際、会場に設置してあるコーヒーにより、苦手だったコーヒーが飲めることがわかった。ミルクを入れないと、空きっ腹の時など胃にもたれたものだが、ふげん社で、初めて自分からホットのブラックを飲み、人はこういう味を美味がっていたのか、と初めて判った。寒山拾得といいブラックのホットコーヒーといい、なんとか間に合った。短い一生何事もダメになるよりダメでなくなった方が良いに決まっている。 友人で酔っ払って、たった2針頭を縫って、もう酒は飲まないと決めたなんて愚か者がいる。早く会場に来て、私の『虎渓三笑図』を観ろ、真理の前では禁則など何の役にも立たない、と三人の男が笑っている。 考えるな感じろ。考えるより水槽の金魚をめていた方が良い、と確信していたし、実際それで良かったのだが、それについて明日は何か話さなければならない、となると話が違って来る。感じてばかりいないで、少しは考えておけば良かった。多少は考えておこう、と早めにふげん社を出たのに、向こうから自転車に乗った工芸学校時代の友人がやってきた。明日ギャラリートークのお相手いただくのは東雅夫さんである。”大船に乗った気持ちで“と聴こえた気がして、18からの付き合いの彼と、40年前の初個展の話などで、つい飲酒に耽ってしまった。
Don't Think, Feel! 寒山拾得展
人形作家・写真家 石塚公昭 作家活動40周年記念
10月13日(木)〜11月6日(日)
10月23日(日)ギャラリートーク東雅夫さん