明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



始める前の私は、人形を作り写真作品にする、という奇手を用いる分、通常と違うのだから、それだけで充分、末席を汚さぬよう、伝統に乗っ取った寒山拾得を、と思っていたはずだったが。 架空の人物の表情を作るのが面白くて始めた40年前の原点に戻った気がする。今回のモチーフは人間の種々相を描くには最適といえるだろう。蝦蟇仙人なんかに遠慮がいるはずがない。つい手が滑ってカエル染みた顔にしてしまった。酔いが過ぎた。 星の数ほど描かれて来た寒山拾得だが、これほど癖っ毛の二人は知らない。ふと髪は粘土でなく人形用のヘアーを使おう、と思った時点で、多少は思っていたかもしれないが。通常の伸びたおかっぱみたいにした時点で印象が変わり、嫌になってやり直し、もみ上げもうなじにも毛がなく、頭に毛の固まりを乗せたようにしてみた。かといってボリュームを持たせようと思うと、ドラマの菅田将暉並みの癖っ毛になった。古代の中国に天然パーマがいたのかは知らないけれど。 寒山と拾得は絵師の個性がもっとも出るモチーフの一つだろう。出来てみると初志とは違って、眠っていた種類の私の個性炸裂となったかもしれない。



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