英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

真似の大切さ

2016年10月16日 | 指導現場にて
教育現場にいると、真似が出来ない生徒は学力が伸びないことに気づきます。

例文をノートに書かせても、つづりが違っていたり、コンマが抜けていたり、どこかしら間違っている。そんな単純な真似さえも出来ないと、向上はなかなか難しい。厳しい言い方かも知れませんが、これが現実。そして、その勉強姿勢を正し伸びる方向へ導くために、指導者が存在します。

書道やスポーツも、まずは徹底した型を覚えます。その基本姿勢が真似できないと、上達は望めません。そのために基礎トレーニングも毎日やるわけです。畑村洋太郎著『組織を強くする技術の伝え方』に、茶道や武道の世界の教えである「守・破・離」が紹介されています。

「守」・・・決まった作法や型を守る段階。すべての学習は真似から始まる。手本に従ってそれと同じようにする。決められていることを生真面目に守るこの段階は、繰り返しも多く非常に面倒。なによりもやっているほうは面白くもない。しかし、手本を素直に真似るほうが結果として早く進歩する。

「破」・・・「守」の状態を破って作法や型を自分なりに改良する段階。自分で創意工夫しながら試行錯誤できる。作法や型を破るのは悪いことのようだが、「守」を徹底した人はしっかりとした経験と根拠に基づいているので、合理的な方法の創出につながる。

「離」・・・作法や型を離れて独自の世界を開く段階。「破」の段階で試行錯誤を繰り返した人は、従来とはまったく別のものを新たに生み出すことができる。制約条件や外的要因にあわせて全体をつくり変えることができる。つまり、過去の経験や知識に加えて、先人の理解などを織り込んで判断ができる。
勉強も一緒です。例文を覚える。公式を覚える。語彙を覚える。つまり、暗記は真似をする礎となります。そして、基本を大事にして何回も繰り返していくうちに、自ずとその基本事項を追究する姿勢が生まれ、違った角度からとらえられるようになり、いわゆる応用力が身につくようになります。

「学ぶ」の語源は、「まねぶ」です。習い、真似をすることが、学問をすることにつながります。勉強の基本は真似をすることであると、生徒たちには自覚を促してまいります。


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