英語道(トラスト英語学院のブログ)

長野県伊那市の英語塾「トラスト英語学院」の塾長ブログです(^^)/
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奥深い知識

2018年05月17日 | 指導現場にて
英語の偏差値60以上の大学受験生ですらなかなか正答が出せない良問を紹介します。チャレンジしてみてください。学習院大学文学部で実際に出題された問題です。

Our boss is ------- to get along with.
(a) ability
(b) impossible
(c) incapable
(d) unable







いかがですか?殆どの方が (d) unable を選ばれたと思いますが、正解は (b) impossible です。

どの参考書や問題集の解説に、「 impossible は“人”を主語にとらない」と書かれているため、多くの受験生が真っ先に (b) を消去するでしょう。そして、be unable to ~ を思い出し、(d) を選択するパターンが多いと思われます。しかし、impossible や easy などの難易や快不快を表す形容詞は、文の主語として人間でも物でもとることが可能です。

本問題正解文
Our boss is impossible to get along with.
(我々の上司は、折り合っていき難い。)

見慣れないためしっくりこないかもしれませんが、実は次の英文と構文的に同一です。

This book is easy to read.
(この本は読みやすい。)

これらの構文の特色は、文頭の主語(This book や Our boss)が意味上は不定詞(to read や to get along with)の目的語になる点にあります。つまり、

It is impossible to get along with our boss.
It is easy to read this book.

と、それぞれ言い換えが出来るのです。

そして、本問で (d) unable を正解にしたければ、

Our boss is unable to get along with us.

というように、to 不定詞以下に目的語が欠けていない句をもってくる必要があります。


表面的な知識しかないと間違えてしまう良問。きちんと理解し論理的に説明できてこそ、奥深い本物の知識となります。
自宅庭でシャクナゲがきれいに咲きました。季節は確実に春から夏へ向かっていますね。


コメント
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