長野県伊那市の大学受験英語専門塾「トラスト英語学院」の福澤です。
長く大学受験英語の指導に携わっていると、感心するくらいの良問に出会うことがあります。今日はその一つをご紹介します。
When you make a speech, it is necessary to use visual aids because they can supplement verbal messages that could ------- be difficult to understand.
(A) whatever
(B) alternately
(C) instead
(D) otherwise
東邦大学理工学部で出題された文法問題で、TOEICで出題されてもおかしくない問題です。正解を発表する前に Twitter で投票を募りましたので、その結果から見てみましょう。
私のTwitterのフォロワーさんは英語の猛者たちが多いのですが、それでも解答が割れてしまう問題です。
正解は (D) otherwise ですね。文章の意味は「スピーチをする際、視覚的補助を使うことが必要になります。なぜなら、さもなければ理解するのが難しい可能性のある言葉のメッセージをそれらが補ってくれるからです。」が、英文は意味と形の両方がそろわなければなりません。意味から正解が選べてもダメです。形、つまり文法的に解釈できないといけません。
この問題はまずは時制に注目しましょう。make、is、can と現在形が続いていく中、関係代名詞 that 以下の時制は could で過去形になっています。しかも、助動詞。助動詞で過去形でまず思い浮かばなければならないのは仮定法ですね。仮定法の単元で、「if節のない仮定法」というところで必ず出てくる単語が otherwise「さもなければ」です。
I love her; otherwise, I wouldn't marry her.(私は彼女を愛している。さもなければ、彼女と結婚なんてしないよ。)
この otherwise を if を使って書き換えさせる問題がよく出ます。考え方は簡単。「さもなければ」=「直前の文章でなければ」ということですから、直前の文章を否定し、仮定法ですから時制を一つ前に戻せばいいわけです。この場合、if I didn't love her, となります。
東邦大学の問題では、仮定法に気づけるかがポイントでした。仮定法を知らなかったり、仮定法を知っていても、仮定法と聞いて otherwise がピンと来なければ、まだまだ不勉強ですから、文法をやり直しましょう。
先月の The Japan News の記事で、パンの耳と規格外のコーヒー豆からクラフトビールを作る会社の取り組みが紹介されていましたが、その中でこんな英文に出会いました。
The company's aim is to create products from foods that would otherwise go to waste.
(その会社の目的は、さもなければ無駄になっているであろう食べ物から製品を作り出すことである。)
まさに、東邦大学で出題された文法問題そのままですね。是非、この機会に覚えておきましょう!