国公立二次試験の出願が締め切られ、各大学の志願者数が確定しました。
地元・信州大学を目指している現高2年生の中にも「目指している学部が約3倍でした。厳しいですね。来年はどうなるんでしょう」と授業中もその話題が出てきます。
しかし、私はこう答えています。「3倍?大したことないね」
なぜか。少子化となり、大学全入時代の到来が叫ばれてから久しい昨今からでは考えられないことですが、第二次ベビーブーマーだった私の大学受験時代は「一浪、ひとなみ」という格言が世の中を闊歩するほど、厳しい戦いを強いられ、浪人が当たり前でした。
私が受験した1992年早稲田大学政治経済学部の入試データです。
募集人員 920名
志願者数 21,125名
受験者数 19,775名
合格者数 1,483名
入学者数 916名
名目競争倍率(=志願者数÷募集人員) 22.96倍
実質競争倍率(=受験者数÷合格者数) 13.33倍
少子化による大学全入時代の現在は、どの大学でも5倍を超えると高倍率と考えるでしょうが、1990年前後は10倍を超えるのが当たり前でした。しかも、受験人口は減少の一途をたどっているのに、東京大学を例にとると、募集人数はこの10年以上変わってないんです。だから、いかに現在が大学に入りやすいかお分かりいただけると思います。
でも、たとえ倍率が20倍になったとしても、100人の受験会場では5人が受かる訳であって、受験会場に足を踏み入れた時、「あー、この中で受かるのは俺だな」って思える勉強をするのが大事ですね。何人受験しようが、およそ7割前後になるボーダーラインの得点をすればいいわけです。そのために、偏差値、倍率、当日の緊張感等々、合否を左右する様々な要因を考慮に入れ、学力と共に強い精神力を培っていくのが、毎日の勉強です。