帆∞翼(セイル バイ ウイング) -太陽そして風と供に- 

海・南風・そして何より”真夏の太陽”が大好きな翔です。

「よろしく!」  

又一人

2005年12月22日 | 僕という人間 その他

今日、元教え子で、とても優秀だったW(名前を書けません)が来ました。
私の前に来ると、直立不動の姿勢のまま敬礼をし、「来月イラクへ行きます」と大きな声で告げてきました。
少しおっちょこちょいで、よくしゃべり、よく失敗するやつでしたが、彼は同僚の仲では飛びぬけて早く出世しました。
専制君主体制から、完璧な民主体制まで後ひとつのところまで来ているイラクは、いまもってテロが多発している国でもあります。
司令部だから大丈夫ですと笑う彼の笑顔の中に、別れの寂しさを感じます。
4ヶ月の赴任のあと、もうこの国へは戻りません。
世界中に広がるどこに転勤になるのかは機密であり、私が知る由はありません。
「頼むから命だけは失うな」と一言。
「イエッ、サー!」と再び言います。
力を入れて教え、トレーニングしても優秀なやつほど転勤していなくなっていきます。
なんのためにやっているのだろうか?
と考えると悲しい気持ちになるので、出来るだけ考えないようにします。
ピヨピヨと鳴く新人をぞろぞろと連れて現れ、簡単な説明をしながら受け渡して行きます。
ひよこ達は私を見ると目をそらしてまっすぐに見ようとしません。
ははあ、また何か吹き込んだな?と思いつつ。
未知との遭遇状態で固まった顔を一人一人見渡しながら。
一番でかいやつを見ながら、バットが必要だな・・・・・・
なんて思う私です。