メビウスの歯車というのがある.
メビウスの輪は誰でもご存知かとおもいますが(ちなみに僕のホームページタイトルにもこのメビウスの輪は使われており、
ただし、BYという言葉を当てはめています)、表と裏が同じ面に両立する不思議なものですが、リボンなどを使うと簡単に作ることが出来ます。
ところが、これに歯を設け、全面をつかって何かを駆動させるとなると簡単にはいかない訳です(と普通は思う)、その理由はメビウスの
輪にとって裏と表は有って無い物だからですね。
ところが、それを成し遂げてしまった者たちがいる。
http://wiredvision.jp/news/201104/2011040819.html
じっと見ていると頭が爆発するはずだ。Photo: Berkeley Robotics
この「メビウスの歯車」はあまりにも非現実的で、表現することはほとんど不可能だ。
この作品は「帯の片側にしか歯が付いていない歯車」であり、カリフォルニア大学バークリー校でロボット工学を専攻する学生のAaron Hoover氏が、さまざまな3D印刷技術を駆使して制作したものだ。Hoover氏は、このような歯車が実際に動くところのアニメーションを描こうと苦労した結果、このギアを実際に作ることが可能であると確信し、それは正しかったのだ。
素材は柔軟性のシリコーン・ゴムだ。白い部分はメビウスの帯になっており、ひねりが1回加えられている。つまり、どのように目に映ろうとも、どのように頭で解釈しようとも、歯は帯の片側にしか付いていない(メビウスの帯には片面しかないのだから)。
外側の黒い帯はひねりが2回加えられており、じっくり10分かけて目を凝らしても、どうなっているのか私には理解できない。小さな青いゴムの平歯車たちは、どういうわけか、2つの不思議な形の帯に挟まれ、うまく噛み合っている。
この装置は、本質的には遊星歯車機構(planetary gear mechanism)であり、理論的には、遊星である青い歯車と、白い「太陽」の帯のどちらかを使って動かすことができる(実際には白い帯を手で動かす方が簡単で、青い歯車たちはときどき飛び出すことだろう)。[遊星歯車機構とは、太陽歯車(sun gear)を中心として、複数の遊星歯車(planetary gear)が自転しつつ公転する構造を持った減速(増速)機構]
私はこの写真から目を離すことができないでいるのだが、何とか、Hoover氏がこの作品の計画から印刷作業までを詳しく説明した資料(PDFファイル)に、最初から最後まで目を通すことができた。
私のような素人には資料を読んでもほとんど理解できなかったのだが、このギアを組み立てるために必要だった悪夢のような複雑な計算式を読んで、この一見単純に見える作品のすばらしさをより強く感じることができた。
う~ん、
頭が爆発すると書かれていますが、正直僕にはそう思えません・・・・・・
実際、その解決方法は至極単純だからです。
写真にもあるメビウスの白い帯は、端と端を裏半回転(ひねり)して表と裏を連結して作ることが出来、又それは誰も知るところですが、これとは別に黒い帯にはこのひねりを二回加えてあります、
その理由は、黒い帯が白い輪の造り出す、あるはずがないと思われている表および裏の面に対してこれにより接合面を作り出している、簡単に説明すると一ひねりずつ裏表を分けて与えられているということ。
ただ、それだけだと白い帯に有るはずのが無い、表と裏の転換点を出現させることは出来ないわけで、故にどこかに接合点を出現させねばならず、また絶対不可欠なもの。
それではそれをどう作り出し、解決しているのかというなら、この黒い帯を白い帯の中へ通すことによって、本来あるはずのない表と裏をつくり出しているのですね。
一見出来そうにない事は、割と簡単なことで解決されるものです。
要はメビウスの帯を見る視点を変えるのと同様に、空間的位置という概念からメビウスの輪に表裏をつくりだしているわけで、それを旨く使い表から見れば裏に一ひねり、裏から見れば表に一ひねり接合させているだけの構造となっています。
上記の記事の一番肝心な部分を簡単に説明するとこの説明の通りなのです。
そういえばアインシュタインの相対性理論なんていうのがありました、最大のエネルギーは質量に光の速度の二乗をかけた物、なぜか訳分からないように思われていますが、基本式
E = mc2
の理解、及び光の速度に近づくほど何故か時間が進む不思議(定点からは遅れる)は、上記のメビウスの輪を頭に入れて考えると容易に分かります。
えへへ