さすがにこの季節になると日差しが強く、風も暖かい。
こんな日に乗らない訳がないということで、午前中は家内と二入、娘単独、 午後は家内が怖がってリタイアしたので娘と乗りました。
はじめは風速8Mと自分の乗っている船にはドンぴしゃの風で気持ちいいの何のって。
余りの気持ちよさに、こりゃジャイブ練習に「良いんじゃね!」なんて、半分ひっくり返る事を期待しつつ意図的に繰り返します。
一度は完全なティーラーコントロールミス、もう一回はライフジャケットの変なところにエンドポールが引っかかり、外そうと(よせばいいのに)押したところで「はれ?」ってな感じでドカン。
と楽しく沈を味わって午前中は終了。
昼飯食いながら「午後はもっと風が強くなるだろうな~」 なんて思っていたら、平均10M超えてブローは13M近くまで上昇。
家内は怖がって退散したので代わりに登場したのが家の暴走小町。
こちらはただのオジサン、向こうはレースやっている。
風と大波を打ち始めた海面見て、「ハイよ!」とスキッパー(操艇者)を預け、自分はただのクルーというかジブセイルも無いので
ハイクアウト錘に変身。
「こりゃやべ~な~」と思いつつも、危険な誘惑に負けて船を沖に出したはいいが、娘の飛ばすこと飛ばすこと。
どう考えても軽い娘だけでは重さが足らないので僕がフルハイクアウトすることになるのですが、
斜めサイドからせまる大波を割って進んでいるために上半身がまともにそこへ突っ込むことになる。
「どっひゃ~!」となるけれど、「パパが水中にいた!」とラダー操作しながら娘は大笑い。
湾内ほぼ2周したところで、強風が引き起こした波の高さが半端じゃ無くなって来て、しかしながら恐い物知らずというか馴れているというか、娘は平然と海面を切り裂いていくのですが、
さすがにトップ崩れの横波とブローホールのコンビに出くわしてアンヒール沈が一発、しかも完沈(完全に上下逆さま状態)。
完全に空とご対面の船体へ這い上がり、センターボード引き出しておらよ!とガンネルに体重かけるとだんだん船が起きてくる。
と此処までは良かった物の、半分起こしたところで、再びでかい横波くらって手がつるり ってドボン!
それを横で見ていて波にもまれつつ大爆笑しているのは良いけれど、結構こっちは大変なんだぞと、まあ二人がかりで起こす必要も無くセオリー通りに船を起こして再び暴走開始。
ふと周りを見ると家のヨット意外はみんな浜に撤退している。 ゲゲ!
代わりに喜んでぶっ飛んでいるのはウインドサーファー達ですが、こちらはヨット故にこれ以上は危険。
と、突然の「ガン!」という衝撃を感じ、「あれ?」と思っていたら、なんとラダーの付け根が圧に耐えられなくなって壊れちまった(壊れたよと平然とラダーを見せる我が娘)。
「あちゃ~!」と思うが、この風と波で方向舵(ラダー)装置が壊れりゃ帰れるはずがないだんべ。
まあ、レース艇のレーザーでさえも出られないくらいの波と風が吹き上がって来ているわけだから、この船が壊れても当然というか・・・・
娘は即座にセイルをシパーさせ、斜めにひん曲がった上の金具だけにラダーを引っかけて抵抗を作り出し(事故対応モード)すると、後は船のヒールで帰ることを試み始めますが、風を受けてヒールすると上(風上)にいってしまうのがヨットの特性。
平均風速13M状態でブローは時折15M近くにまでなっているので当然シパーでもヒールしてしまう。
ラダーがまともに利いていないのでこのままだと帰れない・・・・。
そこで手の空いている?僕がセンターボードを引き抜き風上側に寝そべりつつ、両腕でガンネル(船の淵)にラダーを
押し当てるようにして舵代わりにして戻りますが、
これがオンショアの南風(岸に向かって吹く風)でなければレスキュー艇が出てくる騒ぎになる。
*僕が冬にウインドやヨットをあまりやらないのはこの理由なのですね。
ジワジワ戻りますが、とにかくのろいし波はでかいし、わずかだけパワー生み出させるために半シパー状態のセイルは半端じゃ無くばたつくし、
鳴き入るだろうと思っていた娘はまったく平然としているし、「焦っているのは僕だけかい!」
30分くらいかけて何とか浜に戻りましたが、さすがに「ふ~・・・・・・・・」という感じ。
後にクラブハウスで風速情報をみたところ、平均風速15M ブローで17Mと表示されていた。
船の設計限界とっくに超えてるじゃん!
楽しかったけれど(無事戻れたから言える事ですが)、船壊れたし、結構恐かったし・・・ へへ