63回目の敗戦記念日。
そして我が家では黒猫ラッキーの2回目の誕生日。ブスイけど、まぁいいね。
夕刊を見ていたら、フランス映画の秘宝と銘打って13本の映画が上映されることが載っていた。その中のひとつ「海の沈黙」と言うのが目に付いた。「海の沈黙」ねぇ。もしかしたら、あの小説の映画化かな??
学生のころ、毎日帰りに本屋で、ひとつ星の文庫本を買って電車の中で読んでいた。星ひとつは40円だった。それでも毎日食費も込めてもらう100円の中で買っていたのだ。だから40円のひとつ星の内容など見もしないで、40円というだけで片っ端から買っては読んでいた。出会いもあったが、気に入らない作品もあった。ふたつ星は80円。80円支出すると、食事はできなかった。でも家に帰れば食事はできると、20円のキャラメルをしゃぶりながら、それでも本を買って読んでいた。
「海の沈黙」はその40円の本にあった。「星への歩み」と2編収められていたように思う。とても感激して帰ったのを覚えている。たしかレジスタンスのフランス市民を描いたものだ。ドイツの将校がフランス人家庭に同宿するようになる。しかしフランス人家族は頑として沈黙を守り続ける。にもかかわらず、ドイツ人将校は自分のフランスに対する思いをしゃべり続け、やがて東部戦線へと去っていく。ドイツ人将校の口を通して、逆にフランスへの愛国心が語られ、ナチスの欺瞞が、フランス文学を禁書にしようというようなナチスのやり方が明らかのされる。
当時、これを原書で読みたいと探したのだが、見つけられなかった。訳者は確か河野与一だった。この文庫本は捨ててはいないと思うから、どこかには紛れ込んでいるとは思うが、探せないだろうな。
映画は1947年制作となっている。どんな作品なんだろうかと、ちょっと気になった。