残しておいたよもぎを使ってシフォンを焼いた。初めての試みである。よもぎも少ししか残っていないので、いろいろ試すわけにもいかない。そこで、いつものシフォンの分量で、砂糖だけ10g多くして、大匙2(しかなかった)のよもぎペーストを入れて焼いてみた。明日、水曜日、工芸室に持って行って、初試食してみる。
先々週、陶芸仲間のご主人がよもぎを摘んできてくださった。家に帰り、せっかくの好意、さっそく、重曹をちょっと入れて柔らかくゆがき、水で洗って、カッターにかけ、ペースト状にし、それを冷凍した。茹でている時、家中がよもぎのいい香りで包まれた。春の香りと色、新芽を食べるというのは、季節をいつくしみながら、新しい命の力を頂く、昔の人の知恵だろう。よもぎにはいろいろな薬効成分もあるのだろう。
和菓子の材料も取りそろえてあるのだが、上新粉もみじん粉もない。最近使わなかったので私が処分してしまったらしい。なら、先に餡を作っておこう。小豆餡だけでなく、ついでに白餡もつくろう。そこで白インゲン豆を買ってきてもらった。白インゲンは1晩水に浸す。茹でながら皮を除くので、小豆よりは手間がかかる。で、まずは白餡から始めた。鍋をストーブの上にのせ、柔らかく豆が崩れるくらいまで茹で、裏ごしした。万能裏ごしは目が粗いので、さらに細かいメッシュの網で、手間をかけてもう一度裏ごしした。自分で、丁寧な作業をしていますね、なんて言いながら。おそらくプロの現場には良い濾し器があるのだろうな。濾し袋は縫ってある。水切りが大変なので、まな板にのせ、麺棒で伸すようにして水を切った。それに砂糖を入れ練り上げて、美味しくできたので、分量を量って冷凍した。
ついで小豆餡。同じくストーブの熱利用だ。白餡と同様二度濾しして、砂糖を入れ火にかけた。白インゲンより内容量が多かったこともあり、餡はふつふつと溶岩のように噴き出し、おかげで数か所、火傷をした。アロエのご厄介になったのは言うまでもない。出来上がったあんこはなめらかで美味しい。
水曜日の朝、草もちをつくった。前の晩からよもぎは冷凍庫から冷蔵庫に移してある。普通は上新粉を湯でねり、蒸し器で30分以上蒸して作るのだが、今回はいまどきの人の真似をして、電子レンジでつくった。もちろん試しはして、自分なりに改良してある。
ボールに、白玉粉30g、これを200ccの水で溶き(水は少しずつ入れるとラク)、上新粉170g、砂糖30g、塩をやや多めの一つまみ入れ、よくかき混ぜる。ラップをして500wで1分、上下をかえして、さらにラップをして4分、半透明になったら、濡れ布巾にとり、捏ねながらよもぎペーストを加え、よく混ぜ、手に水をつけ、さらによく捏ねる。よく捏ねた方が、なめらかな伸びのある餅になる。
これを棒状にして、餡子は別にして持って行った。糸切り団子にしてもいいと、木綿糸も持って行った。餅をちぎって、餡をまぶしたのだが、やはり季節のもの、美味しかった。
よもぎペースト、少し残しておいたから、シフォンに入れてみるね、つくったことないけど、と言ったので、今朝、それを実行したのである。
大匙2のよもぎを入れた生地は、やさしい萌黄色になった。焼き上がったシフォンの中味はどうだろう。明日が楽しみではある。
翌日:シフォンを切ってみた。やさしい萌黄色。何とも春らしい。味もグー、この中に甘納豆を入れてみようと思っていたのだが忘れてしまった。来年、またよもぎを頂いたら覚えていたら試してみよう。