とんだ買い物

昨日午後から買い物に連れて行ってくれた。ハンディで石油ストーブを買った。居間で使っているものと同じものだが、部屋にあるのは古いので、自動点火できず、チャッカマンで火をつけている。私は困らないのだが、時々papasanが火をつけてくれる。そのときつけられなくて、かんしゃくを起こしているので、古いのを予備にして新しいのを買ってこようと言っていたのだ。同じものなら、要領はわかっているだろう。現品限りなので安かった。ラッキー。そのとき、駅のベンンに敷いてあるような布製のマットが温かそうだと言って、Papasanはそれも買った。

長いので、ラタンのチェアーに寄りかかったとき暖かいように背もたれからかけてやった。ご本人はとても喜んでいる。昼食の用意をして、呼ぶと音は聞こえたが、一向に出てこないので、のぞきに行くと、なんと椅子ごとひっくり返っている。どうも長いマットが滑って、それに引きずられ、倒れたその上に椅子がのしかかるようにかぶさっているのだ。椅子をどかし、何とか半身は起こした。ベッドのそばには固定したてすりがある。それにつかまらせて、おこそうとするのだが、起き上がれない。それどころか、またもや横になってしまった。「起きようっていう意思を持たなきゃダメじゃないか！」と短気な私は癇癪を起して怒鳴っている。

それでも反応悪く、横になったまま寝ている。息子に電話をしたがいないみたいだ。部屋は暖房が付いているから。風邪をひくことはないだろう。そのままにしておこう。「おい、ミイラになるぞ」なんて脅している。介護士が反応の悪い老人を折檻する気持ちわかるなぁ、と言いながら、そのままにしておく。その後息子から電話があり、こういう状態だから手が空いていたらおこしてほしいと頼む。しばらくして息子が来てくれ、手すりにつかまらせて、自力も使わせながら抱き上げてくれた。お気に入って買ったものだけど、あのマットが仇になったみたいね、と言いながらマットを畳んでしまった。息子がいたからいいようなもの、だれもいなかったらどうしよう。

食べるだけはしっかり食べるが運動不足、寝てばかりいるんで顔はふっくらとしている。本人は「太ったんじゃない、むくんでいるんだ」というが、明らかに太ったんだ。体重計にのせると62㎏、私は42kg。「ママが体重が減っているのにあんたは増えてるよ、努力して筋力をつけないとだめだよ」と言っても馬耳東風。「遅かれ早かれ嫌でも死ぬんだから、死んだら死に続けるんだよ。生きている間に生きていることを楽しまないといけないよ。死んだら美味しいものも食べられなくなるよ。動物たちとも遊べなくなるよ」
病人だと思い込んでいるようだが、精神構造はどうなっているんだろう、わからん！