最初にお断り――2006-09-14 04:10:22の記事「第89代日本国総理大臣天皇主義者安倍晋三」の「第89代」は誤りで、「第90代」でした。謝罪し、訂正します。小泉首相が、87・88・89代を占めていたようで、最後の1代を抜いていしまったようです。実際に抜いてしまった方が日本にとってよかったのか、抜かないままの方がよいのか、後になってみないと分かりません。
あるいは安倍氏の頭が一つ抜けているという気持があって、1代抜いてしまったかもしれない。
昨日9月26日(06年)のテレビで、民主党議員が「今度の安倍内閣の組閣で、自民党には自分のところにポストが回ってくるだろうと考えていた人が50人程いたと平沢さんが言っていた」と発言したのに対して、当の平沢勝栄自民党衆議員が「総裁選出で安倍さんを政治理念や政策で支持したわけではなく、自分のところにポストが回ってくるかもしれないと支持した人がいて、そういった人のことを考えると、ポストが回ってくるだろうと考えた人は50人くらいいたのではないかと言ったまでです」といった説明をした。
50人は控えめな数字ではないか。将来的なポスト願望支持を含めたら、400人といった数字に撥ね上げた方がより正確な数字になると思うのだが。
平沢議員の説明に対して民主党議員は「そこが安倍新内閣の脆いところです。政治理念や政策で支持したわけではなく、打算で支持した人が混じっている」とバカ正直にまともに応じていた。
民主党もあまり頭のいい人間がいないなあとそのとき思ったが、と言うと私自身頭がいいように見える。少なくとも批判相手よりも頭がよくなければ、批判する資格を持ち得ない。正直言って、そう発言した民主党議員より頭はいいと思っている。生き方・人生の選択に関しては、まるきり頭は悪かったけど。
あまり頭のいい人間がいないなあと思ったのは、簡単に反論を許してしまう発言内容だったからだ。事実名前は知らないわけではないが、頭に思い浮かんでこない安倍支持の別の自民党議員の「安倍さんはそのことは承知で組閣している」といった反論に答えることができないでいた。
そういった人間にはポストは回していませんよと言われれば、物的証拠が出てくるわけの問題ではないから、それまでである。例え誰が見ても派閥均衡人事に思えたとしても、人事を決めた首相自身が、いや、適材適所で決めていったら、ああいう人事になったと言い張れば、黒も白となる。
私だったらこう反論する。
常々言っていることだが、「人間利害・打算の生きものだから、利害・打算程強いものはない。ポスト欲しさの打算の上に安倍支持は成り立つこととなった。これで強力な内閣ができないわけはない。下手をすると、民主党にとっては都合悪いことだが、小泉内閣よりも長期政権になるのではないのか。民主党への政権交代を許さない最強力の安倍打算内閣と名付けるべきかも知れない」
皮肉を用いることによって、少しはインパクトを持たすことができる反論となっているのではないだろうか。
内閣運営がうまくいかなければ、利害・打算でトカゲのシッポきり、首のすげ替え、人気取り政策で乗り切る。女性多用の内閣人事と自慢しても、その女性のうちの何人かに関しては宣伝広告塔・人気取り目的の利害・打算人事が必ずと言っていい程に含まれている。
自民党は1998年の参議院選挙での大敗による橋本内閣の総辞職を受けて小渕政権が誕生すると、自民党を離党して一時期自民党政権を奪いニックキ敵としていた小沢一郎を、その敵意の首謀者の野中広務は政治手法が陰湿的で、一緒には政治はやれないと批判していたが、背に腹は代えられない政権基盤安定のために「個人の感情は別として、小沢さんにはひれ伏してでも国会審議にご協力を戴きたい」と、「一緒にやれない」どころか、一緒にベッドに入りましょうといった具合のなりふり構わない豹変の利害・打算を見せ、1999年1月に小沢一郎を取り込んで自由党との連立に成功、さらに欲張って、それまでは味噌クソに批判していた公明党に対しても批判の手のひらを返してすりより、政権に取り込んで自自公連立政権を発足させた利害・打算の美しいまでに見事な実績・前科を抱えている。現在の自公連立政権は当時の自自公から自公に姿を変えてそっくり引き継いだ利害・打算連立であろう。
政策・理念なんかクソ喰らえ、利害・打算こそすべてだと言えなくもない。
ホリエモンが「カネで何でも買える」と言ったが、カネが実社会にあっては、ときには政界・官界に於いても、利害・打算を実現させる最も強力な武器となっているから、その事実を言ったまでで、政党にあっては政治理念・政策を無視した支持・一票が利害・打算実現の最強力の武器となっているというだけのことに過ぎない。堂々巡りの議論になるが、それは人間が利害・打算の生きものだからに他ならない。
今回の安倍支持、安倍首班指名で、それが最も美しく有意義に活用されたということだろう。
「脆い」どころか、安倍晋三は、あるいは安倍内閣は最強力の武器を手にしたわけである。最強力のであることを即座に認識できるように、「安倍打算内閣」と命名すべきではないか。